[新装版]青年の思索のために
文庫版が、永く絶版になっておりましたが、
このたび、PHP出版より復刊されました。
従来の文庫版より、活字も大きくなり、
読みやすくなりました。
青年に限らず、すべての日本人に一読を
薦めたい本です。下村湖人の良識が詰まった
一冊です。
次郎物語〈上〉 (新潮文庫)
第5部まであわせるとかなりの分量がありますが、一度読み始めると途中でやめられなくなります。次郎と周囲の人物の心情がこまやかに描かれていてスリルとサスペンスを感じるほどです。こんなにおもしろくてためになる小説はそうそうあるものではありません。読み物としてとにかくおもしろいし教養にもなります。ぜったいに読んで損はありません。読者層も選びません。5部で中絶してしまったのが悔やまれます。
論語物語 (講談社学術文庫 493)
下村湖人というと「次郎物語」が名高い。大河小説であり 読み耽った時期があった。今読んでいても面白い。
そんなわけで本書にたどり着いた。
「論語」のレビューでも書いたが 論語は案外読み易い。それでも
中々とっつきにくい人も多いと思う。そんな人には 本書から「論語」
にアプローチすることをお勧めしたい。
本書は「論語」の解説書ではない。論語に触発された下村の人生観
をちりばめた「小説」である。小説であるだけに 読み易い。また
解説書ではないので くどいこともない。
そんな読みやすさが 本書の徳である。