DOGMAN SCRAP (メガストアコミックス)
★4の下。
著者の2冊目。
1冊目『DOGMAN』9編中『愛玩婦』をオミットし、『SPEED!』を4頁カラー化して、さらに短編4編と、4頁ショート4編を追加した内容。
追加されたのは、
カラー4頁ショートの『真・桃太郎伝説』『爆笑!!珍 千鶴劇場』『AVE MARIA』『帰ってきた 珍 千鶴劇場』と、
ぬいぐるみとともに紀元前4世紀のエジプトに旅立つ女の子の受難系『漫画はぢめて物語』。
騎馬戦で混乱に乗じてエロエロされちゃう女教師のお話『秋の大運動会奮戦記!!』。
高い聖霊力をもつが故に悪魔獣人に狙われたシスターの受難劇『高い城の男』。
変身宇宙人(♀)が世界を救う大バカ系『(有)ウルトラ警備保障』。
の短編4編。
ほか、カラーイラスト4頁。後書き漫画3頁。カバー内にも漫画アリ。
思いっきり白消しがデカかった再録分8編の消しが大幅に是正されたのが利点。
でも元々抜きネタ的コマ割構成をしてないのでエロ度は大して上がらないんだけど、見た目はやっぱり全然いいです。
追加された短編4編に関して言えば、
『漫画はぢめて物語』は、著者らしいオバカさが爆発してて面白いけど何かの間違いなのかほぼ全域にわたり分厚いモザイクがかかってて涙。ちょいふざけすぎなのも玉に瑕。
『秋の大運動会奮戦記!!』は、エロシーンは微量。具すら拝めませんし、お話の内容も中途半端。
『高い城の男』は、グロテスクな触手がステキですがキルタイムクラスの描写は当然ないので迫力はイマイチ。
『(有)ウルトラ警備保障』は、エロはダメダメ。アイデアは良好も展開が同人誌レベルな上、漫画内で漫画の言い訳してるので少々白けます。
何れにしてもエロイ系の漫画ではないので抜きネタとしての購入なら、あまりお薦めできません。
シリアスに世界観を造り込んだオバカ漫画が好みな方へなら充分お薦めできる内容です。
世棄犬廃品集 1 (MDコミックスNEO 28)
★4の中。
『国防戦隊Jレンジャー』の第10話までを収録したまるごと長編の第1巻は、著者の3冊目。
寡黙な作家の宣伝用に『DOGMAN SKRAP』の発売に合わせてメガストアで連載された本作ですが、あっと言う間に見捨てられ打ち切りになったため、8割が描き下ろし。
ほか、カラー2頁&カバー内に、登場人物を媒体とした、とってもオチャメなサービス精神に満ち溢れたエセ宣伝広告アリ。
巻末1頁の後書きは、廃品回収の雑誌よろしくゴワゴワ感を漂わせるために文字が揺れてて非常に読みづらいのですが、怨念というか、作家魂が籠もっていて楽しめました。でもやっぱり次回は普通に書いて欲しいかも。
さて肝心の物語ですが、悪の毒裁国家とか、さらにその背後に立つ魔の強酸帝国やらから持ち前のエロ魂で日本の平和を護るべく勃ちあがる日本国自衛隊某特殊工作部隊の活躍を描いた作品で、毒裁国家のサブカル思想が生んだ遺伝子操作の怪人とか総統直属部隊エロコビ組とかと、組んずほぐれつしながら、思いっきりしよーもないパロディーやオブラートをかけそこなったブラックユーモアを満載して漫画チックにひた走るナンセンスギャグ系ハッチャケエロドラマです。
エロシーンの方は、後半になるほどダイナミズムを取り戻すものの序盤は大ゴマ不足だし配分も少なめで、物語方面に強力に分断されがちなため、所謂抜きツールとしてなら若干弱めです。
ナンセンスギャグ漫画としては充分面白い部類ですが、15年前の作品群の方がぶっとんだ輝きに満ち溢れてたと個人的には思います。
旧司組が集結しつつあるメディアックスに回収されたことで、今後お目にかかれる機会が増えればと今からワクワク。
ともあれナリキリオバカを詰めこんで物語は2巻へと続きますが、よくもまあコツコツと完成させてくれたものだと感慨もひとしお。
面白ければいいじゃんという方はぜひ♪