塚原卜伝 DVD-BOX
大河ドラマであってもおかしくないぐらいの濃い内容、かっこいい音楽。主役も良いですが、脇を固める役者さんのとにかく素晴らしいこと。ゲストにダンテ・カーヴァーさんが出てたのには驚きを隠せませんでした。この時代劇の面白さを知ると、同時期の大河ドラマが薄っぺらでみるのが嫌になりました。
関の弥太っぺ [VHS]
本作が、歴史に残る名作であることに異論のある人は、
少ないと思います。実際、夕焼けの土手で「旅人さん!」
と叫ぶお小夜(十朱幸代)と橋の下に身を隠す弥太郎
(萬屋錦之助)の姿に、遥かな山河とそこでの人の永遠
の営みを感じさせる懐かしく切ないメロディが重なるシー
ンは、日本映画史のひとつの達成と言えるでしょう。
ところで、本作の評判ほどには、本作の音楽について
論じられることは少ないようです。木下忠司は、ここで
ふたつの軸を立てて音楽を設計しているように見えます。
ひとつは、本作の制作意図=人が生きるときの喜怒哀
楽、肉親の生と死、親しき人との出会いと別れを、貧し
さと孤独故に漂泊せざるを得ない者の悲哀を通して描
ききることに見合う正位の旋律を用意すること、そして子
供時代のお小夜の愛らしさを現す歌曲を作ってこれに対
比すること、このふたつです。
小林淳『日本映画音楽の巨星たち3』によれば、この
手法は、彼が『わが恋せし乙女』(木下恵介監督、以下
同じ。)でデビューした時以来用いているもので、伝統
的な松竹映画の音楽を一気に革新したものとされてい
ます。ただ、弥太郎と箱田の森介(木村功)との対決場
面にドラの音が使われている(この時期の打楽器の多
用は、武満徹の影響か?)など、本作の音楽はそれだ
けでは語り尽くせないようです。実は『喜びも悲しみも
幾年月』でひとつのピークに達した後『永遠の人』、『二
人で歩いた幾春秋』と彼は自身の音楽設計の転換を図
り、それが『香華』という最高作で実を結ぶことになり
ます。本作は、その転換の最中のものでもあったので
す。
真田風雲録 [VHS]
関ヶ原の戦いで落ち武者狩りをする少年たち。
その最中、むささびのお霧は、人の心の読める少年はなれ猿の佐助と出会う。
10数年後、お霧(渡辺美佐子)たちは佐助(中村錦之助)と再会する。
豊臣と徳川の戦が迫り、諸国の浪人が大坂へ結集していた。
彼をリーダーとして大阪城に向かう。
そこで、有能な部下を探していた真田幸村(千秋実)に出会う。
佐助とお霧は愛し合っているが、心が読める佐助は「心変わり」も分かるので悩む。
彼らは誰のためでもなく己のために戦おうと決心し入城するが・・・・・・・。
原作は福田善之(青芸主宰)の舞台(彼と他2人で脚色)。
関西では公開5日で打ち切り。
撮影の方もかなり時間をかけ、会社から怒られたそう。
大阪夏の陣、冬の陣を舞台にしながらも、(当時とすれば)ポップな設定により、現代(当時の学生運動)の像を浮き彫りにさせている。
演出も妙に新しい感じ。面白い。でもメインストリームの面白さではない。
が、このような映画が傍流にあるというのは当時の映画界の層がまだ厚かったという証拠か。
この作品は従来の真田十勇士とは少し違う。
たとえば佐助が心を読めるようになった原因が、幼い頃隕石の光(放射能)を浴びたから。もう違う(笑)。
舞台を元にしているせいか、現代の小道具が出てくる。
由利鎌之介(ミッキーカーチス)が「ぎたある」をかき鳴らし唄を歌ったり、「この戦争が終わったら、本を書こうと思うんだけど、こりゃ当たるね」という台詞とか。
休戦した時に「ゴーゴー」(?)を踊ったり。そこに手に蝋燭をもった、淀君たちがあらわれ、汚らわしいと言い放ち、聖歌を歌いだす。
学生運動の影響がモロに出ているのが台詞。
真田幸村(なんと千秋実)が十勇士にあったときの台詞。
「お前たち『列』に加わらんかね」
あとは「味方の敵は敵」だとか。
脚本は豊臣方の動きしか追っていない。
そこで行われる様々な評定、裏工作、紛糾する会議。
豊臣方(反体制)はどのようにすべきか意見が分かれる。徳川(体制)がどういう動きをとるのかがほとんど分からない。
「見えない相手」が不気味な効果を上げていた。
豊臣は結局内部崩壊に近い形で崩れていく。この戦も学生運動同じ道をたどった(のか?)。案外この見立ては間違っていなかったのかもしれない。
徳川方の忍者服部半蔵(平幹二郎・・・・岡田真澄に見えた)らとの幻術比べみたいな戦いはちょっとしたミュージカル仕立て。徳川方の忍者隊(江口音也バレエ団)が黒い傘をくるくる回したりする(!)のがなかなか面白い。ステップの踏み方が稚拙だけど、それがまた良い。
時代考証はなっちゃいないが、それがウィークポイントにならず、逆に現代性が入ったことで妙に奇怪で面白い映画となった。風俗面は古びていても、作品自体の質は今観ても素晴らしいと思う。
渡辺美佐子が美しく、千秋実、佐藤慶が素晴らしい演技をする。
日蓮 [DVD]
子供の頃に映画館で見たのですが、自分の手元に置いておきたい作品なので購入致しました。
日蓮の一般的な事は全て作品に紹介されていて、日蓮の概要はこの作品を見れば解ると思います。
日蓮に興味のある方にはお勧めします。
映画としても素晴らしく、日本映画の良さが味わえる一作品です。