聖なる怪物たち (幻冬舎文庫)
若い外科医が当直中に飛び込み出産の患者を迎え、その妊婦が急死するところから始まる話です。
ストーリー的にはなかなか面白く、テンポ良い筆致で読みやすく、ほぼ一気読みでした。ただ、他の方もご指摘の通り、今ひとつ登場人物に感情移入しにくいところがある上、散りばめられた小さなエピソードが後になってからも何の意味も持つことなく放置されていたりして、少し練り方が不足しているのかなという印象を持ちます。
でも「聖なる怪物」って誰のことでしょう?怪物というほどの凄い人物は出てこないような気がしましたが。
聖なる怪物たち
飛び込み出産の妊婦の死、医療ミス、切実に不妊に悩む女性といった医療にまつわる想いを描いたミステリー。
ストーリはよく考えられていて、あっという間に読ませるのだが、振り返ってみると「聖なる怪物」というほどの怪物はいなかったと思う。
どの登場人物も自分の中で譲れない気持ちを抱えていて苦悩しているのだが、不妊に悩む妊婦以外は感情移入できず、中途半端だった。
瞬(またたき)
真実を知るのはとても怖いことだけど、
それを受け入れるため、受け止めるため葛藤する
主人公の女性はとても強いと思う。
今流れている時間・側にいる人たちは当たり前じゃない、
とても幸せなことなんだと認識させられた。
シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン「聖なる怪物たち」 [DVD]
ギエムとカーンが それぞれを語りながら、『舞い』ながら舞台が進む。
二人が、からだをあわせて、動きをあわせた時、...
二人の人間ではない まったく新しい生き物が現れる。
人間の2倍の関節と2倍の筋肉を持ち、二つの頭を持つ生き物。
一方の「動き」をじゃますることなく、途切れさせることもなく、
もう一方の「動き」が呼応した時、観る者の目にはこのように映る。
これを じっくり観せてくれる。
...いったい、ライブの舞台では、どんな世界が広がっているのだろう。
舞台が進行する中で、
「EMERVEILLE(エメルヴェイエ)を感じ続けていたい」と、ギエムが語る。
初めて何かに出会った時に 目を奪われて、心を奪われてしまうような...
う〜ん...「感動」でも、「興奮」でも、「驚き」でもない、もっともっと
強い感情。 それが、『EMERVEILLE』だと、ギエムが語る。
『EMERVEILLE』とはどういうものかを、言葉で伝えようとするが、
カーンには なかなか伝わらない。
...ふたりは、最後の『舞い』に入っていく。
結局、
『EMERVEILLE(エメルヴェイエ)』とは、どういうものか?...、ですか。
このDVDを観ていて感じること...湧いてくる感情。
それが、きっと 『EMERVEILLE』 です。