黒い看護婦 ランキング!

黒い看護婦 黒い看護婦

読後感がよくない。福岡地裁で死刑を言い渡される主犯格の女が一番悪いが、その共犯の女たちも同情の余地がない。読み終わっても救われるところがないのだ。一方的に身内をかばう主犯格の女の母親、別居中とはいえ住んでもいないマンションのローンを女の言うがままに払い続ける夫。長女の荒れた生活。「先生」という怪しげな存在を疑いもせず、最後は女同士の性行為でも子供が生まれるという話まで信じ、自分の実の母親が殺害されそうになっても見て見ぬふりをする共犯の女。「あんな亭主は殺された方がいい、子供たちも殺される」といわれ、犯行の誓約書まで書かされて殺す共犯の女。過去にいじめた同僚看護婦への仕打ちを脅しの材料にされ、「亭主があんたとその子供を殺そうとしている」と吹き込まれ亭主を殺し、他の犯行にも関わり、最後はガンで拘置所内で死んだ共犯の女。情報を遮断して脅して金を巻き上げるやり方は「オレオレ詐欺」の手法に似ている。一種のマインドコントロールだろう。金のためならここまでやる女がおり、弱みを見せたらここまでつけ入る女がいるということを世間に知らしめた。 黒い看護婦 関連情報

黒い看護婦 黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫)

人の命を救う看護師が、女性だけの4人で、単なるカネ目あてと思える詐欺と殺人の連続。社会への衝撃は大きく、また興味関心も深い。ドキュメント構成で、ドラマを観ているようなリアル感を演出しているのは言葉、会話である。福岡弁、久留米弁というのか、とにかく真に迫ってくる。 黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人 (新潮文庫) 関連情報

黒い看護婦 消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

心理学を学んでいるので、勉強の意味で恐る恐る読んでみました。報道規制がかかる程のこの事件、僕は最近まで全く知りませんでした。丹念な取材の末に書籍化して、世の中にこの凄惨な事実を伝えてくれた著者にまず感謝。多くを考えさせられました。僕は人生でそれなり数、本を読んできたつもりですが、この本はその中でも1〜2位を争う位胸糞が悪くなりました。精神的に余裕が無い時に読むのはオススメ出来ません。あまりに凄惨。あまりに残酷。良心の欠片も感じない松永からの操作に従い行われる人々のおぞましい犯行に、途中で何度も目を背けてしまい、読みきった後は暫く気分が悪くなってしまいました。小説や映画等のフィクションだったら、こんな嫌な思いをしてまで最後まで見なかったと思います。しかしこれは現実に起こった事。しかも常識や信仰が大きく違う外国や、大昔の話ではない。現代の日本で起きた事実なのだ。それは自宅の周辺にも、ひょっとしたら松永の様な男がいるかもしれない。いつか自分や自分の大切な人にも、似たような事が起こる可能性もあるという事である。目を覆いたくなる様な事件だが、対抗策(価値観に干渉しようとしてきた初手の段階で逃げる)や人間の心理を考える上では多いに勉強になりました。常識、世間体、責任、罪悪感、痛みと恐怖による支配、それらがここまで人の行動に影響を及ぼすとは…マインドコントロールによる価値観の書き換え、拷問や暴力によって動機付けされた思考は、愛や家族の暖かみによる動機付けより強いのか?所詮人間は刺激を与える事により、決められたパターンにハマり、そのパターンから逃れる事の出来ない人形の様な存在なのか?愛とは?家族とは一体何なのだ?とアイデンティティに強く揺さぶりをかけられた気がしました。犯罪者を頭のおかしい精神異常者で自分には全く関係無い物として、臭い物に蓋をする傾向のある人。愛こそ全てを救う!と言い切って心の闇や恥部を見ない人にこそ読んで欲しい。貴方はこの状況でも抗えますか?冷静な思考と判断を失わずに、信条と愛を貫けるだろうか??僕らは普段自分を正常だと思っているが、実は異常者と思う人物と自分はそれほどの違いはないのかもしれない。環境や刺激でおかしな動機付けをされたら、自分も当たり前の様に犯罪に手を染めてしまうのではないだろうか?と思った。犯罪、不祥事、戦争等、客観的に理屈で考えれば誰もがおかしい!と考える事が実際に多発する現代。その理由の片鱗が見えた気がします。亡くなった方々にご冥福を強くお祈り致します。 消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫) 関連情報




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