BADBOYS バリクソBOX(初回限定生産) [DVD]
最近よくある「マンガ原作映画」「イケメン映画」とは
明らかに一線を画した作品。
何より違うのは原作へのリスペクトが強く感じられること。
原作の知名度、話題性だけにおんぶに抱っこの作品ではなく、
「この原作を映像にしたい」という作り手の強い思い、
そして、地元・広島への愛を感じる。
原作の1エピソードを深く掘り下げ、
脇役の一人だった「野村豊」を軸にしたオリジナルストーリーでありながら、
原作の名シーンも要所に再現されているし、
漫画のキャラクターが生き生きと人間らしく蘇っていて
原作ファンが見ても気持ちがいい。
キャスティングを見ても原作重視なのがよくわかる。
話題の役者ありきの原作当て・・・という順番ではこうはならないはず。
暴力シーンも多いが「子どもに見せたくない」というものではない。
「痛み」をもって、いろいろなことを教えてくれる映画でもあると思う。
初回限定バリクソBOX特典もよかった。
幻のパンフレットにある原作・田中先生の絵コンテは涙モノだし、
田中先生の映画への思いも「そうそう!」とおおいに共感できる。
また、あえて映像化されなかったラストシーンのシナリオなど、読み応えがあった。
これで終わりなんて許さない!(笑)
続編、期待してます。
RAILWAYS [レイルウェイズ] [DVD]
鑑賞前はあまり期待していませんでした。ストーリーはよくある話で、過去に似たような作品も多い。キャスティングが良かったですね。エリートだけど生き方は不器用な主人公は中井貴一さんでピッタリ。夢を諦めざるを得なかった若き同僚役の三浦貴大さん、すねてるけどやることは無難にこなすってのがいい演技でした。橋爪功さん・佐野史郎さんも少ない登場シーンでの存在感はさすがです。沿線の風景と時間の流れ方も良かった。
アクチュール 2011年 3月号 No.22 (キネ旬ムック)
表紙の高良健吾くんが、いつもの映画の表情と違ってナチュラルで素敵でした。
他に他も沢山の俳優さんが載っていて、何度見ても幸せな気分になりました。
RAILWAYS [レイルウェイズ] [Blu-ray]
人間にとって人生の値打ちとは何だろう。「勝ち」とか「負け」で決めてよいモノではないことだけは確かだ。
主人公の筒井肇(中井貴一)は会社ではリストラで功績を挙げ、上司の覚えもめでたい。しかし、ある日、故郷で母親が心筋梗塞で倒れたが、肇は多忙を理由に看病や見舞いもおざなり・・。家庭内にはスキマ風が吹き始めている。
やがて肇は親友の死をきっかけに、己の人生に疑問を感じ始める。
肇が辞表を出した次のシーンで、急に鉄道の風景に切り替わり、転轍器(ポイント)がガチャンと切り替わる。大変わかりやすい説明である。かれは故郷に戻り、子ども時代の夢であった、地元ローカル線の運転手になる。
この作品の第二の主役は一畑電車の旧式電車「デハニ50」だろう。車体は木造、ドアは手動。運転席と客席の間の仕切りも無い。製造後80年ちかくが経過しており、エアーコンディショナーなど無論装備されていない。暑くなれば、窓を盛大に開け放って宍道湖の湖面や水田の上を渡る風を入れればよい。それに木造車両は意外に涼しいのだそうだ。
現代の効率至上主義のシンボルが「新幹線」とすれば、デハニ50は「人としての優しさ」のシンボルだろう。
運転手になった肇は、遅延を覚悟して、乗り遅れたお年寄りがいれば発車を遅らせる。
現代では、天災などの不可抗力で電車が遅れても、駅員に罵声を浴びせたり、つかみかかるような輩も見かけるが、おとぎ話のような世界をコトコト走るデハニ50は対極の世界にある。
やがて、肇の優しさが裏目に出て、ある事件が起こり、肇は窮地に追い込まれるが、ローテクのデハニ50と対照的な「携帯電話」がもたらす、「ハイテクの残酷さ」がやりきれない。
もうひとりの隠れた名優は何気に介護ヘルパー役だった宮崎美子さん。いつもニコニコと笑顔を絶やさず、黙々と仕事をこなして、デハニ50と同じ側の存在である。
事前知識なしにこの作品を見たが、エンディングが松任谷由実の曲だったので、ビックリした。田園地帯を走るデハニの空撮映像とユーミンの曲で涙を誘導する終わり方はズルイ(笑)。
なお、余談だが、デハニ50は老朽化著しく、予備部品の払底、ATSなど現代の保安基準を満たせず、映画のクランクイン時には、すでに引退状態だった。この映画撮影のための貸切運転をもって実質的に廃車状態となり、ふつうに切符を買って気軽に乗ることはできなくなった。
イベント運転や動態保存が検討されているとのことだが、実現を願うばかりです。本物風(?)の乗客や祭りシーンのエキストラなど地元ボランティアによる、本当の人間の温かさが感じられる作品です。
ブルーレイ版はDVD版と同価格で、本編ディスク側に錦織監督による春夏秋冬の一畑電車の特典映像(本職だけにハイクオリティ!)が含まれており、SEも鳶の鳴き声や稲穂を渡る風の音など自然音です。お買い得感アリ。
キネマ旬報臨時増刊 KINEJUN next vol.1 「あしたのジョー」大特集 2011年 2/21号
映画『あしたのジョー』の関連Bookの中では、
なかなかのおすすめです(^ε^)♪
とにかく写真が、ハンパなくかっこいいです!!!