ガマの油 プレミアム・エディション [DVD]
役所広司の監督初作品。
いくつかのことに気づく。
役者として黒沢清監督作品に数多く出演している役所広司だが、
初監督作品のテーマとして、「死」および「死者」を選んだ。
役所広司の内的世界の傾向なのだろうと思う。
本人が語っていたが、
ガマの油売りに仏壇の上を掃除しろと言われ、
箪笥の引き出しを階段にして掃除をしたエピソードは、
役所広司が幼少期に体験した実話だそうだ。
思うに、
この映画の原案は息子を亡くした夫婦と、
息子の友人や恋人の交流を描いたものだったのだろう。
それに監督役所広司が、
自らが撮りたかったテーマ(死)、
それに不可分な実体験(がまの油売り等)を加えたため、
分かりづらい作品になったのだと思う。
ただ役所広司は観客に映画の背景を考えさせたいと構想していたとのことで、
そういう点では成功していると思う。
個人的は、
思った以上にテンポがよく、
笑いの演出も冴えていて、
役所広司の監督としての才能に驚いた。
またロードムービーになっていて、
特に後半、押さえた演出と旅情が混じりあって、
満足度は高い。
横須賀の風景がきれいだ。
役所広司が監督としてその内面を披露した、
いわば自己紹介のような映画だと思う。
劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ Blu-ray
サイタマノラッパーシリーズが素晴らしく、入江監督の作品には毎回驚かされています。
私は特にかまってちゃんファンではありませんが、今回の作品も、まさに素晴らしい作品でした。
登場人物の描写、煮え切らない現状、など、うまく描けていると思います。
しかし、かまってちゃんファンでないと、劇中の音楽を通じた演出に感情移入しにくいのも確かです。
私はこの作品を映画館で二度みました。映画館でみると、かまってちゃんがとても輝くんです。
大きいスクリーンに大音量のライブシーン。
そのライブ会場に自分がいるかのように錯覚することで、作品の世界にのめり込むことが出来ました。
「ライブ会場にいる登場人物」「ライブ会場にいない登場人物」そして、「ライブ会場にいる私」。
登場人物たちと、かまってちゃんを共有することが出来ました。
かまってちゃんファンで無くても、その演出・効果を十分に感じることが出来ました。
細かいことは、ライブの勢いでぶっとびました。
しかし、家のテレビでみると一変しました。
映画館と違い、小さいテレビ、小さい音量。
ライブ会場にいるような錯覚はありません。
ライブDVDを見せられている感じです。
「ライブ会場にいる登場人物」「ライブ会場にいない登場人物」そして、「お茶の間でライブDVDを見る私」。
作品にのめり込むことは出来ませんでした。登場人物と共有できるものは無くなりました。
かまってちゃんファンなら、楽しめるのかもしれませんが、かまってちゃんファンで無ければ、あまり楽しめないでしょう。
この作品は悪い作品ではありません。
しかし、「サイタマノラッパーは好きだけどかまってちゃんには興味は無い」という方が見たら、つまらないと感じるかもしれません。
ですが、もし、アンコール上映で、劇場で見る機会がありましたら、是非劇場でみてください。
素晴らしいライブ体験が出来ます。ライブ映画です。
クイック・ジャパン95
ももいろクローバー特集のために買いました。全員に対してのインタビュー、メンバーによるPV解説、マネージャーの川上アキラさんによる回想、早見さんの写真が30枚ぐらい(がっつりあります)と早見さんによる追想、などが載っています。PV解説は、しおりんが食べ物の話ばかりしていて面白いです(笑)。
自分はZ伝説の後にファンになったので早見さん脱退の話は過去の情報として知ったのですが、理由が今ひとつ理解できませんでした。この本には、量は多くないですが脱退理由の説明が早見さんや川上さんから述べられており、脱退はそういうことだったのか、と自分としては納得できました。もちろん読んだ人全員が納得できるとは思えませんし、以前からファンの方は特にそうだと思います。それでも読む意味はあると思います。ももクロファンにはおすすめします。