鉄道で旅する北海道 2009年 冬号 [雑誌]
鉄道で旅する北海道 2009.秋号 [雑誌]
この本は鉄道で旅すると銘打ってありますが
鉄道のことに詳しくなくても楽しめる内容に
なっています。
電車の写真はもとより車窓からの景色、
停車駅ごとの食や温泉などの紹介を
シンプルに写真を添えてみせています。
特集?なのでしょうか、有形文化財に
登録されたタウシュベツ川橋梁を中心に
廃線になった旧国鉄士幌線の紹介などは
廃線に興味がない方でもわかりやすい
表現で記されており全体的にスマートな
構成で読んでいて疲れません。
よく目にするのは情報の詰め込みすぎで
読み終わったら何が書いてあるかわからない
なんて本ありませんか?
とにかく気楽に写真を楽しみながら
読める一冊です。
北加伊エゾシカ物語―北海道の環境破壊史
動物保護に関して多数の著作のある藤原氏が、エゾシカの盛衰について取り上げた本。
「北加伊」とは北海道のこと。松浦武四郎が蝦夷に代わる名称として提案したものらしい。
北海道の環境破壊といえば明治維新以降のものが知られているが、本書では江戸の初期から話し始めている。本州から渡っていった和人たちによる動物乱獲、またアイヌの狩猟についても述べられるのである。アイヌは自然と共生していたという概念を捨て、彼らがいかに大量のエゾシカを殺していたか、きちんと触れられるのも面白い。
後半は明治以降の話。人口増加、狩猟法の制定、牧場開発などによりエゾシカは絶滅寸前まで追いつめられた。どうしてそうなってしまったのか。政策の問題点、アイヌや和人ハンターの見込みの甘さ、気象の問題などが挙げられ、良く考察されている。
多くの事実と正確なデータを盛り込み、北海道の環境破壊の歴史が分かりやすく描き出されている。ただ一方で、記述に疑問の残る部分も。正確・正解なのかどうか。