SWITCH vol.26 No.5(スイッチ2008年5月号)特集:松本 潤[1/5の渇き]
この雑誌は買い損ねていたので、松本くんファンのにはとても嬉しい雑誌でした。
グラビアは松本くんのオフショットともとれる写真で、所謂“ヲタ誌”と言われる雑誌よりも大人っぽく、桜と共に写っている松本くんはいくらかリラックスして撮影しているようにも見えました。
インタビューも大変充実していて、かなりの満足度でした。
松本くん好きなら、この雑誌は買うべきですね!!!
悪人 (特典DVD付2枚組) [Blu-ray]
僕はいつも作品に原作が存在する場合、それは読まずに観る。今回とて例外ではなかった。そうしてみると今回はヒロインである深津絵里が登場するまでにずいぶん時間があったなと感じた。でもこれ聞いた話によると前後編に分かれた原作でも同じだそうでヒロインの登場は前編も後半を超え、どうやら最後のほうらしい。だから原作を読まれた方なら納得だろう。
ではそれまでに何が。ここまでがこの作品の出来を左右していたような気がしてならない。そしてキャスト、スタッフ陣は見事にそれに打ち勝っていたと思う。妻夫木聡演じる主人公をいかにして殺人に駆り立てたかはもちろんのこと、細部にまでわたる登場人物たちの人となり、人間関係というのか相関図というのか。2人が報われることなどありえない逃避行に至るまでにこれらはすべて必要だったのだ。前半はそれを見事に描ききっている。
後半は逃避行と前半に描かれたことがベースになっているのはもちろんのことだが本題に入る。と、ここで様相が少し変わってゆく。2人の本当の愛を知らないカップルの物語であることに気づかされ、また同時にこれは奪われたものだけでなく、奪った者の葛藤、それだけに留まらず現実は周囲も巻き込み、恐ろしい勢いですべてを絶望へと飲み込んでいくということを実にリアルに物語る。
奪われた者ものの苦しみを描いた作品はたくさんあるけれど、奪った者にまで踏み込んだ物語は斬新でもあった。またまたこのあたりの描き方がお見事なのだ。観終わった後、深く考え込んでしまうだろう作品だが、その世界観の素晴らしさはほかでは味わえないものだった。
ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書2 「勉強」と「仕事」はどこでつながるのか
■概略
前作「16歳の教科書 なぜ学び、なにを学ぶのか」に続く、ドラゴン桜公式副読本の第二弾。
「勉強」と「仕事」の関連性について、多種多様な業界から集められた6人のゲストがそれぞれの思いを語っている。
■感想
前作に続き、タイトルと内容の関連性が非常に薄い。
ぶっちゃけ「『勉強』と『仕事』はどこでつながるのか」について何の答えにもなっていないし、
読み終わった時に「あー、いい話を聞けたな」程度で終わってしまいかねない。
それは、全体的に一貫性がないから。
確かに1つ1つの話は面白いし含蓄があるんだけれども、
6人のゲストがそれぞれ自分の考えで喋りたいことを喋ってるから全体を通して何を言いたいのかがわからない。
まあ、ドラゴン桜のブランドで売ってる本と言ってしまえばそれまでか・・・
ただ、個人的には綾戸智恵さんの話にはすごく元気づけられました。
これだけでも買った価値はあったかもしれない。
■一般的見解
レビュー数が少なく、「一般的」といえるかどうか微妙ですが・・・
「内容的に1に劣る」、「結局は大人目線である」といったものでした。
確かに、1のほうが全体的に気づきが多かったです。
そしてなにより、こういう「若者独特の悩み、理不尽さ」というテーマは大人が好き好んで若者にその意義を理解させようとしたがるテーマですが、僕が思うにそれはすべて後付けの理由で、現在進行形で苦しんでる若者に押しつけることはできないと思います。
そういうのって、ずっと後になってから自分で意味を見出すもんじゃないんですかね?
■総括
タイトルを見て選ぶと、若干損した気分になると思います。
ただ、個性的な人が多く一つ一つの内容は結構興味深いし、喋り口調で書かれていてスラスラ読めるため、
軽く読む分にはまあ面白い本でした。
フラガール(スマイルBEST) [DVD]
常磐ハワイアンセンター誕生の実話を映画化。
ダンス教師と少女達の友情と成長を描いた作品です。
昭和40年。
閉鎖が迫る炭鉱のまち。
炭鉱娘にフラダンスを教えるために呼ばれたのが、平山まどか(松雪泰子)だった。
最初はイヤイヤながら教えていた彼女だが、生きるために必死になって踊る少女達の姿に、忘れていたダンスに対する情熱を思い出してゆく。
しかし、前途は多難。
果たして、常夏の楽園は誕生するのか?
正直にいいます。
劇場で泣いてしまいました。
なんか、展開がわかっているんですが感動しました。
松雪さん、豊川さんの熱演に拍手。
とにかく、観てください。
私が昨年観た映画、邦画部門文句なしの1位です。
悪人 スタンダード・エディション [DVD]
犯罪、忌むべき行為だが、その多くが責任すべてを犯人一人に押し付けることができぬ背景を持つ。それだけに世の中の悪を根絶することへの絶望が我々を包む。さまざまな個人のさまざまな負の「気」が誰かの上で凝り固まったとき、悪が生じる。被害者には可哀想だが、自業自得、因果応報という言葉も脳裏にちらつくことだろう。こんなもやもやとした現代のどこにでもいそうな、そしてどこか得体の知れない主人公清水祐一を妻夫木聡が好演した。主人公なのに人間としての存在感が希薄な難しい役どころだ。彼が運命に翻弄され、のたうつ姿はひりひりと心に痛い。さらに作品に深みを与えたのは深津絵里が演じた馬場光代の生き様。小さな世界の中でもがき、やっとつかんだと思った幸せが急転直下出口のない、絶望的な愛に変わっていく。二人の逃避行譚が放つ強い悲壮感を受け止めるには観る側にも気力が必要だ。「どうしてこうなってしまったのだろう」という二人の声にならない声が我々の心を突き刺す。短絡的な言い方を許してもらえば、現代は「悪」を容易に増幅させる危険な時代、作品中に描かれたエピソードがそれを裏打ちする。そんな現実に辟易しそうになる心に、被害者の父親が吐いた言葉が沁みる。冷え冷えとした胸中にもたらされるかすかな希望。この作品、なかなか侮れないものを持っている。