銀の島
ザビエルがもたらしたものは・・・・・・・
こういう歴史があり得たのかもしれない。
西洋人の東洋人に対する考え方、キリスト教至上主義の人間たちからはこういうこともあり得るのだ。
最後はもう少し工夫が必要だけれども、歴史ロマンとしては結構以上に面白い作品だった。
利休にたずねよ (PHP文芸文庫)
読んでいるだけで、茶の湯の世界の美しさ、艶かしさを堪能してしまえるような
味わい深い面白さがあった。
名立たる武将の名が出てきながら荒々しい戦とは掛け離れた静かな攻防。
それがまた一味違った緊迫感を醸し出し、艶やかでうっとりしてしまう美しさの陰に緊張感を与えてくれる。今までにはあまり例のない時代文学かと思うので、是非ご一読を。
命もいらず名もいらず_(下)明治篇
「喝! 生ぬるい!」と、いわれているようだった。
山岡鉄舟の生涯を見事に活写している。
北辰一刀流の撃剣を描くだけでも、大変なのに、座禅修行と公案を描き、残された書まで読み解かねばならない。著者が「とんでもない男だ」と書いているだけに、よくぞ描けたなと思えた。