キャビン・フィーバー [DVD]
冒頭5人のいかにも馬鹿そうなティーンが車に乗ってキャンプに出かけるシーンから始まります。「もう何回もこんなの見たよな」......もしや、これは「いかにも」なホラー映画じゃないのか、と。
キャビンに到着後、早速カップル2人はおっ始めちゃうし、そしてお約束な余りものの男は銃でリスを撃つ......。そして夜はキャンプファイヤーやって下らない話して、ハッパを吸う......これ以上勘弁してくれ(笑)という状態。
そこからは『遊星からの物体X』の仲間同士の疑心暗鬼やら、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』的展開やら、『13日の金曜日』や『死霊のはらわた』の「陸の孤島」的閉塞感やら、往年のホラー映画の傑作の意匠がチラホラ見え始めます。
オマージュばかりで何か突出した要素をやり切れてないと言えます。テンポも無駄話のせいで寸断。しかも相手は細菌なので、森にいても誰かが襲ってくるわけでもなく、「いつやられるんだろ」と盛り上がれない。つまり、とっとと逃げればいいんですよ......。
そして、「パンケーキ!パンケーキ!」と叫びながらカンフーキックをかます少年(笑)。ここだけでも映画好きは見る価値があるかもしれません。この少年に星1つ献上します。そこら辺からもう完全に逸脱して狂気の世界まっしぐら。乱れ、弾け飛ぶ青春......。
最後にコメントを寄せている顔ぶれを見てください。それで何かを感じ取ってください。
イーライ自身は『ホステル』で大ブレイクしましたが。
最悪な事態にもほどがある!
もう二度と無軌道な若者に戻りたくありません!
みうらじゅん
イーライはスプラッター映画の未来そのものだ!
監督Q・T(ハリウッド屈指のB級映画おたく)
キャビン・フィーバー スペシャル・エディション [DVD]
普通に若者が次々と死んでゆく系のいわゆるDTMと呼ばれるスラッシャー映画かと思いきや、かなりツボを押さえた良作でした。ただ、そのツボというのが誰にでも通用する類のものじゃないのが困りものですけども……。
とりあえず有り余る創作意欲と情熱を惜しみなく注ぎ込んだ血まみれのB級ホラーです。このB級というのも判断に迷うのですけど、意味無くサイケデリックな香りのする幻覚の主観映像が入ったり、プロットにほとんど関係ないキチ○○なハンターを半ば無理やり登場させたり、落語チックな後日譚(?)でかっちりとオチをつけたりと、明らかに「狙って」B級臭を出している感じがして好感がもてまくります。
そういえばこの監督はこの次の作品でタランティーノと仕事してますけど、この「狙ってB級感」はタラ氏の作品と根っこの部分で繋がってる気がしないでもありません。
そういう意味では万人向けではございませんが、こういうのが好きな人には鉄板の一本だと思います。未見でしたらどうぞ!