十五少年漂流記 (新潮文庫)
最初はお子様向けだと思って舐めてかかっていたのだが、これがまた面白くて一気に読んでしまった。というか子供の頃だったら、絶対に読もうと思わなかったであろう一冊である。
訳者のあとがきによると我が国では、明治二十九年に森田思軒氏による訳が出版され、「ほとんどすべての少年が、この思軒訳を読んでそだった」とのことだ。その中身はともかくとして、清らかな少年少女たちが冒険やファンタジーに夢中になるのは、今も昔も変わらないようだ。
本作は無人島での冒険サヴァイバル譚であるが、少年たちが島で選挙を行って共和国を建設するというあたりに、大人の想像を越えた、子供たちのリアリズムを感じる。子供向けの読み物としては少々シビアなこのエピソードがなければ、ここまで名作として読み継がれることはなかったのではないだろうか。凡庸な作家には真似できない芸当であろう。
幸せの1ページ [DVD]
本作は、無人島を舞台にした壮大なファンタジー&おとぎ話だ。
無人島とはいえ、そこには幸せに暮らす父娘がいる。生活自体はどうやら合法らしく(笑)、自家発電によりMACも装備、
日用必需品も月に1回、定期便で運ばれてくる。
ところが、嵐の夜に船を出した父親が行方不明になり、困った娘が愛読書のヒーローであるアレックス・ローバーにメールで
助けを求める。文字の上では敵をなぎ倒し、大活躍するアレックスだが、実はその作者はSF在住の引き籠りの女性だった・・・
女性は嫌々ながら、娘の救出に向かう。この粗筋だけでワクワクしてしまうではないか。
とにかくテンポがいいのと、A・ブレスリン&G・バトラー、そしてJ・フォスターの芝居が素晴らしい。
といっても、3人の共演場面は少なく、無人島を守るアビゲイルと、難破した船上で苦闘するジェラルドと、SFからムリクリ
無人島にたどり着くジョディはそれぞれがピン演技だ。それだけに、ラストシーンのハッピーエンドには胸が打たれるのだろう。
唯一の問題は、この邦題だ。原題は「ニムズ・アイランド」なので、あくまでアビゲイルの視点で物事も進行する。
なのに、このタイトルだとジョディの視点も入ってしまうのだ。少なくとも、この10年では最低の邦題だと思う。
撮影はオーストラリア・ゴールドコーストにあるヒンチンブルック島で行われている。
メイキングで冬に水に入るので冷たい、とあったが、昼間は浜辺で海水浴が出来るくらい暖かいので、夜間撮影のことを
言っているのだろう。
本作はブルーレイも出ているが、DVD版のレストアも凄いレベルにある。よってこの廉価版をお勧めします。
星は5つ。
RADWIMPS4~おかずのごはん~
RADWIMPSとの出会いは大体今から考えて中期あたり(‘愛し’)だったが
その頃と比べて大分表現が深くなり、重くなった印象だ。
そもそもこういう類のバンドは00年あたりからゴロゴロいたわけで、
今も音楽シーンには一年に何組かは台頭してきている。
RADWIMPSもその内の一つに分類されると思うが、このバンドは聴いていても
ミクスチャーという感じは全くしない。その理由は2つあると思う。
1.ラップの部分が「飾り」ではない
所謂サビの部分に合わせる為のつなぎになっていたり、サビを盛り上げるのに
敢えて入れたもの、あるいは自分たちのスタンスを表明するものではない。
むしろラップの部分にこそ本音を詰めいている感じ。
特に‘ふたりごと’にそれが顕著に出ていると思う。いきなり出だしの部分で
核心を突く言葉が次々と出てきてサビになだれ込む独特のスタイル。
これは私の想像だがラップをするのではなく、「してしまう」のではないだろうか?
そう思わずにはいられないほど切迫感に満ちている。
2.歌のテーマが大きい
これは’有心論‘や‘バグッバイ’を聴いて感じられたことなのだが
曲のスケール感がやたらでかい、でかいすぎて恋愛だけじゃなく
いろんなことに置き換えて聴ける、という最大の利点を持っている。
更にこれを広げているのが歌のシリアス感とそれがもたらす説得力。
元々は彼女にまつわる曲が多いというのはラジオ等で聴いたが、
その所為なのか、まるで全力で走っているマラソン選手のよう。
単に曲調がハード云々ではなくミディアム曲からもそれを感じた。
つまりは人間力が備わっているバンド、ということです。
好き嫌いは分かれるだろうけど一枚通して聴くとかなり良いアルバム。
1〜3までにはなかった深遠さも増している。苦手な人にこそ聞いて欲しい作品。
‘セツナレンサ’の「嘘つきな僕を見ていて欲しい」という部分が
聴いててやたら切なくなった。
漂流 (新潮文庫)
サバイバルものの番組や本、マンガ等見るのが好きなんですがこの本めちゃくちゃ面白かったです。
まず冒頭に作者が有名な日本の無人島話を二つほど紹介。戦後数年たってからの事件でサイパンのアナタハン島で32人が生きてた話(この話を元にした小説&映画が「東京島」)とグアムで発見された横井さんの話。
この時点ですでにひきこまれます。
ではもっと昔、江戸時代に船で漂流した例はないのかと作者が興味を持って資料を調べまわりそれをもとに小説として書き起こした本編が始まります。すばらしいイントロ。
超簡単に説明すると船が難破して絶海の孤島(伊豆諸島の鳥島という火山島)に漂着した長平という男の島でのサバイバルストーリー。
最初4人いたけど1年たったら死んで一人に。何より一人の孤独がつらく途中自殺を考えたりおかしくなりかけたりする。
サバイバルするうえで厳しかったのは「火」をおこせないこと。なんせ着の身着のままで漂着したので包丁とかの切る道具もない素手でのサバイバルは本当に大変。
食べ物はその島に群生するアホウ鳥を殺して生で食う、これが主食。後はその卵や貝、魚をとったり。そして水源がないその島では雨水を卵の殻(結構大きい)にためて飲むしかない。さいわい降水量の多い島だった。
アホウドリが島から離れる時期があってそれまでに干し肉にして保存しておいたものを食べてすごす。
とにかく何でも工夫して生き延びていく姿に感銘を受けます。
島の周りには船が通ることは一切ないけど漂流ルートになってるらしく同じように難破して流れ着いた人たちが合流して最終的に15,6人になる。(やっぱり生き延びる意志の弱い人間は亡くなっていった。弱気が一番の敵)
合流したグループが火をおこす道具を持っててそこからは肉や卵を焼いたりできるようになり調理法がレベルアップ!
そして救出を求むべくいろいろ手を尽くしたがすべてうまくいかず「船」をつくることを決意するもなんせ島には木材や釘とかが一切ない・・・そんな状況に何度も絶望しながら国へ帰りたい一心であらゆる手を尽くす16人。最初に漂着した長平は12年、37歳になっていた。
果たして彼らは船を完成できるのかそして生きて島から脱出できるのか・・・
何もない状況でも生きる意志と工夫さえあれば生きられるんだな。すごいわ。超名作!
この作品映画化されてるみたいだけどものすご見たい!
open d
doaを知ったのは、「すぽると」のサントラの中の「火ノ鳥のように」を聞いたときです。
コーラスの綺麗さ、歌詞の力強さに感動しました。
そして、B'zのホームページで紹介されていたのを経由し、英雄を聞いたときに「アルバム買おう!」と思い、買いましたw
アルバムについてですが、doaの歌い回しのうまさがより感じられると思います。
また、コーラスも綺麗な曲ばかりで、どの曲がイイ!とは言えませんw
買ってみても損は絶対に有りません!保証します!