God Willin' & the Creek Don't Rise
いやぁ渋いなぁ、これ。CDショップでちょこっと視聴したくらいだったらきっと食指が動かなかったかもしれない、淡々とした音楽。だけど、聴けば聴くほど味がでるって類の作品ですね。
4作目にして初のセルフプロデュース、かつバンド名義。気心の知れた仲間たちと、自分の奏でたい音楽の焦点がより定まってきたんだろうか、アメリカ南部のルーツミュージックにぐっと舵を切ってきた感じですね。特にペダルスティールの調べが心地よく、元々のちょっとハスキーでハイトーンなボーカルがより映える仕上がりだね。で、バンド名義とはいっても「必要最小限」とか「過不足なく」などという次元ではもはやなく、「彩を添える」という言葉がぴったりの渋さ。全般的にはちょっとファンクっぽい(1)以外は“フォーク”と称しても差し支えないほどに、簡素にしてアコースティックな響きがいい感じです。
虚飾をそぎ落とした、まさに精進料理のような音楽。こういった音楽がビルボートチャート3位となるところに、まだまだアメリカも捨てたもんじゃないですよね。
グラミー・ノミニーズ2011
毎年出てますこのシリーズ、グラミー賞にノミネートされたアーティストの曲のコンピレーションで、英国ならよくあるのだが米国では珍しくレーベルの壁を越えている最強のコンピということでBGMやプレゼントなど、また普段聞かない人が手っ取り早く向こうの流行の音聴きたいという要望に応えるCDといえる。
毎年購入して聴く資料として保管している人もいるらしいけど、自分は気軽に楽しむ派である。
さすがに主要3部門のアーティストはすべて網羅している。ただ1のシー・ロ・グリーンは"F*k you"という曲がノミネートされているにもかかわらず収録曲は"Forget you"である。これは青少年にふさわしくない言葉が含まれて
いるためだろう、米国らしい配慮だ。それと新人賞部門のアーティストは含まれてない。
自分は毎週某BS民法のヒットチャート番組を毎週見ていて、知ってる曲が多い反面知らない曲もあり、まあヒット
だけの偏った選曲していないなというところか。今年はベテランが目立たない年、12のマイケル・ジャクソン
はちょっと事情が違うと思うので。前述の番組にすでに知っていてお勧めなのがは6のレディ・アンティブラム、17のトレインだ。 シャーデー(15)の復活も嬉しいところだがこの曲よりアルバムタイトル曲のほうが良い。 最後19はジャーニーのカバー曲(ドラマ、グリーのキャストによるもの)でさわやかにエンディング。ただ全体を通して聴いてみるとなんだか地味な年、星4つです。
追記:主要4部門結果載せておきます。(作品名割愛)
album of the year: Arcade Fire(6曲め)
song of the year : Lady Antebellum (7曲め)
record of the year : Lady Antebellum( " )
best new artist: Esperanza Spalding(当アルバム未収録)
詳しくは専用サイト見てね
God Willin' & the Creek Don't Rise
Ray LaMontagneの4作目となる新作。
本作はデビュー当初からプロデュースしてきたEthan Jonesではなく、初セルフプロデュース、且つバンド名義でのリリースとなっている。
個人的にはRay LaMontagneとEthan Jonesとの相性は頗る良かったように感じたので今回の試みはやや心配だったけど、いやぁ、良い!
出だしのベースライン、ギターリフが特徴的なファンクナンバーにはびっくりだけど、以降は今まで同様、美しく崇高なアメリカンフォークミュージックだ。
よりパーソナルに、少し地味になった部分もあるが、そこはやはり本人のやりたかったことを忠実に表現した結果なのでしょう。
シルキーーなジャズナンバーや、ブルースなんかもあるが、ペダルスティールが美しく響くマウンテンミュージック、フォークソングが特に素晴らしい。
Eric HeywoodとGreg Leiszという現在のアメリカーナシーンになくてはならないギターリストによって奏でられるペダルスティールがソウルフルで素朴なRayの歌声を支えるタイトルトラックなんかは本当に綺麗で大らかなフォークソングだ。
バリトンギターが幻想的な、しっとりとしたカントリーソング「New York City's Killing Me」も感動的だし、バンジョが印象的な「Old Before Your Time」や、SSW然とした「Like Rock & Roll And Radio」も素敵だ。
この人って本当に音楽が好きなんだなぁと思える新作。
きっとNeil Youngとか、Joni Michel、またはJames Taylorだったり、良き時代のアメリカンミュージックも含め、純粋に愛してるんだろうなぁ・・・。