ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド(デジタル修復版)【字幕版】 [VHS]
ゾンビものの古典にして最高傑作。アングラ感漂うカメラワークや、
観る者への説明部分を可能な限り削ぎ落としたストーリー展開が、逆に効果的で、死人が徘徊して生者を襲うという悪夢世界へひきこまれる。
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド [Blu-ray]
ゾンビ映画としてのみならず、ホラー映画として重要な位置にある作品です。
今までに何種類かのDVDが発売されているので、物語自体の評価はそちらのレビューに譲ることとしてそれ以外の点についてレビューします。
音声はモノラルで、日本語吹替えは収録されていません。
世界的に不評な「最終版」収録の日本語吹替えでも入れてくれたらよかったのですが。
BD化して画質がよくなった、とは言い難いこの商品の目玉は何と言っても約84分のドキュメンタリーでしょう。
ファーストゾンビとジョニーの40年後の取っ組み合い(笑)、クーパー一家など可能な限り当時の出演者が時を越えて出演しています。
ほとんどの役者がスタッフも兼ねていたのですね。
とくに印象深かったのは、1988年に亡くなったデュアン・ジョーンズ(ベン役)に対する出演者の想いの強さです。
少女カレン役のカイラ・ションのウェブサイトは彼に捧げるものだとのこと。
また、デュアンのインタビュー(音声のみ)も彼が今作について語るものとしてかなり貴重なものだと言えそうです。
そうそう、ハリーを演じたカール・ハードマンの髪型が40年経ってもほとんど変わらず持ちこたえていたのが少し驚きでした。
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世紀 [DVD]
リメイクと言うよりは、『もう一つのナイト・オブ・ザ・リビングデッド』と言うスタンスで楽しめます。
また、元祖『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の続編である『バタリアン』を匂わせる台詞やシーンも散りばめられており、ファンには堪らない内容。
悪魔の墓場 -HDリマスター版- [DVD]
『史上最も怖いゾンビ映画』との文句は少々大げさですが、充分面白く、怖い作品でした。
低予算ながら健闘しているのは熱意と偶然が作用した演技陣です。
特に良いのは当時日本でも絶大な人気があったレイ・ラヴロックの格好良さと、私生活の不幸が翳りを与えたクリスティーネ・ガルボの清楚で儚い美貌、そして少数精鋭のゾンビ役者達です。
最初に甦る水死体ゾンビを演じたフェルナンド・ヒルベックの常にずぶ濡れの体当たり演技と、カメラマン役で恐怖映画の古典「ノスフェラトゥ」の吸血鬼を演じたマックス・シュレックそっくりのホセ・リファンテ(テリー・ギリアムの『バロン』で死神を彷彿とさせる黒い衣装の医師役)の怪異な容貌、他の数名のゾンビ達全てが強烈な印象を残します。
後、ゾンビが甦る理由は擬似科学的で、途中説明の為に挿入される昆虫の生態映像はグロウ監督の母国スペインの巨匠、ブニュエル監督のサイレント映画を思い起こさせます。
公開当事に何の先入観も(特にロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』を知らずに)本作を観た方がショックを受けて、冒頭の評価を下した気持も理解出来る内容です。
特典DISCは撮影時のこぼれ話と引用映像も充実し、グロウ監督のサービス満点な語り(但し、監督の名優アーサー・ケネディ評にはドキリとします)等、ファンには嬉しい内容でした。
電子楽器で奏でたゾンビが出す音とロック調のBGMも単純ですが実に効果的でした。
ゾンビ映画と70年代のイタリアン・ホラーがお好きな方には文句無しに推薦です。