文藝春秋増刊「つなみ 被災地のこども80人の作文集」 2011年 8月号
80名が感じた、震災数ヶ月後の頭の中を切り取ったドキュメント集。
(年齢は企画上のことで、誰かが書いて、紙に残された事実の尊さを重要視するべき良書です)
文字に記すことで、事実が証言として整頓される。
参加を決断された方は、この上ない貴重な体験が出来た。
助けを肌でひしひし感じ、それに応えようと努力する
高い年齢の方の文章は、励ましやスローガンが増えるのは致し方ない。
それが作文と言う表現なのだし。
読み応えがあるのは、あった事実を時系列で並べて書いた方の文章。
実際に鉛筆を持ってみると、事実を並べて書くのがいかに難しいかがわかる。
取材者によって、書かれなかった部分の解説もある。
行間に、涙と、苦しみが、ある。
自治体によって訓練の仕方が違うこと、児童への配慮が違うことも出てくる。
(崩れていく街は見せないよう共通理解させてた地区があった)
他の証言文学同様、永く再版されて読み続けられる書物だと思います。
東日本大震災 復興支援地図
わたしが特に好きな道路地図は昭文社のマップルである。とにかく地図が見やすい。線の太さ、色合い等について完璧なフォーマットを持っているのではないかと思う。他社の地図は線が太かったり、色が濃かったりでどうにも見悪いと感じてしまい、手元に置く気にはならないでいる。
その昭文社が大日本印刷株式会社と共同で先月26日から「東日本大震災 復興支援地図」を作成して、青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉各県内の県災害対策本部・太平洋沿岸地域の各市町村災害対策本部・県災害ボランティアセンター、中央官庁震災対策室、報道機関(テレビ、新聞・通信社)に総数3万部を無償提供することとしたらしい。地図は、太平洋沿岸地域(青森県八戸市付近〜千葉県旭市付近)を縮尺1:50,000で網羅し、津波浸水範囲・災害対策本部、仮役場、避難所・物資運搬や人員の輸送に重要となる主要道路の通行規制情報が掲載されている。地図会社としては最高の仕事だと思う。
その関係団体に無償提供されたものが一般にも販売された。
手に取ると今回の災害の大きさにあらためて驚く。
これまで知らなかった地名が報道により馴染みになるものの、今ひとつ位置関係が判らなかったりしていた。また浸水被害の状況もどの程度のものか実感か湧かなかったりするものの、この地図を見ることでその規模の大きさが明らかになる。また、まだまだ知られていない被災地があることも判る。
崖でない海岸が延々と浸水被害を受け、津波の恐ろしさ、被害の大きさが露わになっている。
この地図は現在の復興作業を支援するだけでなく、後々の災害対策の重要な資料になるのは間違いない。昭文社と大日本印刷株式会社は非常に貴重な仕事をしたと思う。
DVD 東日本大震災の記録〜3.11宮城〜
東北放送と試聴者提供の映像を駆使して、宮城県全域の津波の猛威の様子を伝えてくれる。
特に凄まじいのが南三陸町の映像。Youtubeで目にするものとは異なり、私はこのDVDで初めて観た。まったく言葉がない悲惨さである。
心臓の悪い人は観ないほうがよい。