ダニエル・ジョンストンの歌
何故こんな素晴らしい盤がこの程度の評価なのか、と思いレビューを書く事にしました。
Daniel Johnston、「アーティスト」という呼び名がこれほど似合う男もそうそういないでしょう。
かのカート・コバーンが、MTVアワードの際に彼のデザインしたTシャツを着ていた事はとても有名です。
彼の音楽は「ローファイ」とよく言われていますが、そのせいで本質が見えにくくなってしまっている気がします。
彼の書く曲は実にメロディーが美しいのです。Disc1を聴いていただければ、その楽曲のパワーを窺い知る事ができると思います。
これだけ多種多様なミュージシャンが集まりながら、どこかしらの統一感を感じるのはそれ故だと言えるでしょう。
しかもそんな素晴らしい楽曲たちを、本人がゴミのような演奏と録音技術で表現しているDisc2を聴いた日には!
10なんて涙が出てきそうになります。
この危うさは、ただローテクな演奏をすれば出せるというものではありません。
ここに参加しているミュージシャンは勿論、Yo La TengoやWilcoといった辺りのバンドにも確実に繋がるものがあるはずです。
先にDisc2を聴き、その素晴らしさを確認してからDisc1を聴かれる事をおススメします。
その後はもう、彼の虜になっているはずです。