日本の歴史的演説~政治家・大正時代編~
内容はタイトルに同じ。日本近代史における歴史上の人物たちの
肉声を余すところなく収録したCDです。
一通り聴いた限りでは永井柳太郎が一番演説慣れしているというか
聴き取りやすい話し方です。その他の人たちは話し方が不明瞭だったり
(音盤の状態に起因するものもあるが)噛んだりしているものもあって
面白いです。
解説書については各人のプロフィールが1ページづつあるだけであり、演説の
背景とか音源に関する話題はありません。
大まかな音源データは「SP盤貴重音源 岡田コレクション」 の
ホームページで参照できます。
日本の歴史的演説
歴史上、優秀な人物とされながら、なぜか不遇だった人がいる。
逆に、今日からみて疑問符をつけたくなる人物が、なぜか当時は、
カリスマだったこともある。
それらを説明する一つのカギは、やはり話し方であろう。
高橋是清や中野正剛は、その話し方を聞くと、
なんとも聞き取りにくい、妙な話し方をしている。
人物や見識には大いに評価すべきところはあったが、
両者とも最後に非業の死をとげた。
逆に、松岡洋右や近衛文麿は聞き惚れてしまうと言っていい。
内容を十分に吟味しなければ、彼らこそ困難を解決できる
英雄だと思いたくなるような見事な話しっぷりである。
だが、その後の彼らが導いた結果は言うまでもない。
今の時代も、なぜか正しい意見が認められず、
間違った意見が幅を利かせることはあるだろう。
歴史上の人物の話し方や声の質に触れてみると、
なぜそのような理不尽なことが起きるのか、
その一端を知ることができるのではないか。
その意味でもこれは貴重な音声資料を集めたCDであり、
値段以上の価値がある商品である。
日経 おとなの OFF (オフ) 2012年 04月号 [雑誌]
早慶の歴史から著名な出身者、豆知識まで何でも書いてあります。
誇り懐かしむOBが買って読んでもよし。在学生が自分の学校を知るために読むのもよし。
受験生がモチベーションアップに見るのにも最適です(落ちたら苦しみを増幅させそうですが)。
受験生、在学生の保護者にも是非読んでほしいですね。
内容が充実していて、一般の方々が読んでも面白いと思います。
六大学野球ファンなんかにもオススメです。
ただ国立大や早慶ICUレベル以下の出身の人が読むと不快かも。
元勲・財閥の邸宅―伊藤博文、山縣有朋、西園寺公望、三井、岩崎、住友…の邸宅・別邸20 (JTBキャンブックス 文学歴史 26)
同シリーズの皇族の建物がすごくよかったのでこちらも読んでみた。
同じ明治大正時期の建物でも、皇族のそれと元勲のものとは全くたたずまいが違って
すごく面白かった。基本的に明治政府の元勲は元々有力藩の人(武士)ってことを考えると
公家の家と武士の家はこんな感じに違うだろうな、と想像はつくのだけど。
想像以上にはっきりと二者の建物が違っていて面白い。同じ時期に生き、どちらも
同じように海外生活をしている人が多いというのに。
どちらがいい、悪いではない。どちらもいい。他のシリーズも読みたいと思った。
KOKOROZASHI 志
著者が300に迫る数の人物記念館をめぐり、集めた言葉を
「志」をキーワードに、解説を加えた本。
「志を立てる」「志を育む」「志を磨く」の3つで構成されており
鑑真といった、歴史上の人物から
イチローなど、現役で活躍する人物まで
多岐に渡る偉人の言葉を総覧することができる。
パラパラめくってしまえば、あっという間に読み終えてしまう本だが
ひとつでも、響く言葉があればそれで良いのではないかと思う。
私の場合、松井秀喜選手の言葉に深く感銘を受けた。
(以下、引用)
心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
(以上、引用)
学生時代、聞いた言葉であるが社会人として
日々、仕事をする中で改めてこの言葉と向き合うと
また違った印象を受けるから、不思議である。
ただ、どうしてもひとつひとつの言葉に傾注してしまうため
「本」としての流れや関係性・全体が見えなくなることが多々あった。
欲を言えば、これら言葉同士の関係性や
その言葉を残した偉人たちの関係性を、ぜひ著者の得意な「図」で示して欲しかった。
既に計画があるのかも知れないが、図解版「志」の誕生を期待したい。