四時の悪魔 [VHS]
45年ぶりに見た映画でした。大変懐かしく、ストーリーの記憶はは曖昧でしたが、場面、場面では、記憶に残っているところが多々ありました。
画質も思ったほど悪くなかったのでよかったです。
ヒズ・ウェイ
作者のことがあとがきでこんな風に評されています。
彼女が本を書くときに、事前取材の段階でシナトラ側から差し止め請求訴訟を起こされた、というところから「はじめに」が始まり、シナトラは何をそんなに危惧していたのか?は、本編の始まりとともに分かります。
なんとオープニングは彼が「姦通罪(さすがにアメリカでももうありませんが)」で逮捕される顛末から。
スキャンダルを嫌う時代を通じ、きれいごとのショービズ界で何年もトップに立つ彼が、こういうあけすけなものを嫌ったのはとてもよく分かります。
で、作者はシナトラにこれっぽっちもやさしくない。これは発見でした。
私自身はシナトラファンで、なんの予備知識もなくこの本を手に取り、これまでもスターの伝記は数編読みましたが、こんなに「本人」から離れている立場の「伝記」もめずらしいな、と。
自伝にせよ、やっぱりスター自身が書くわけで、そういう人は自分が大好きに決まっているので(笑)都合の悪いことは書かないだろうしかっこ悪いことはオブラートにくるんで書くことでしょう。
よくスターにまつわる事件で、関係者ごとに証言が違い「結局は藪の中」なんてことがありますが、著者は主にシナトラが「事件を都合よく歪曲して言い訳をした」という視点で取り上げているようです。
そして、とことん嫌なところ。。偉そう振り、女性へのひどい仕打ち、自分への批判を一切受け付けないといったところもコレでもか、と書きます。
読んでいるファンにとっては1種の踏み絵ですw これでも好きでいられるか!?という。
確かに人間的には無茶苦茶なところがあったんでしょう。逆にそれくらいの強迫観念に取り付かれた人でないと、スターダムを維持するのは難しいのかもしれません位に、意識が変わりましたw
そして、何があっても彼の歌声、とくにキャピタル以降がすばらしいのは疑いもありません。映画は俗っぽくなる一方でしたがw
確かに、彼女が伝記を書くのは、誰かを褒め称えたいとか、好きだから、というのではなく、またセンセーションを呼ぶための醜聞でもなく、もっとジャーナリズムに近い意思からかな、と思いました。
シナトラとギャングたちのつながりを調べるためFBI盗聴記録まで調べていますしね。
珍しい伝記本として5にしました。
ラスト・ワルツ/ベスト・オブ・エンゲルベルト・フンパーディンク
E.フンパーディンクが一世を風靡していたのが60年代後半から70年代前半、ちょうどトム・ジョーンズの活躍と時を同じくしていたため、よく2人は比較されていました。
フンパーディンクの特徴はひたすら甘く優しい歌い方にあると言って良いでしょう。特に女性に人気があったというのも理解できます。そして彼はイギリスの生んだ大スターでもありました。何といっても1億3千万枚を超えるレコード売り上げ、64枚のゴールドディスク、3回のグラミー賞など彼の偉大な足跡は数え切れないものがあります。アメリカでのヒットチャートでも「リリース・ミー」の4位の他、20位までを5曲送り込んでいます。
このベストアルバムでは「ラスト・ワルツ」「愛の花咲く時」「リリース・ミー」などのヒット曲や、後に数多くのシンガーがカヴァーすることとなる「君の瞳に恋してる」等、数多くのスタンダードが入っていて非常に懐かしい思いがします。特に彼の歌う「君の瞳に恋してる」は最高の出来ではないでしょうか。
なお、彼のレパートリーで未だCD化されていない曲の1つに「ビートでジャンプ」があります。この曲はご存知のとおり、F.ディメンション68年のヒットナンバーですが、彼のバージョンもまた味わい深いものを感じます。ぜひCD復刻を願いたいものです。
地上より永遠に [DVD] FRT-170
『O.K牧場の決闘(1957)』『エルマー・カントリー(1960)』の
バート・ランカスターをはじめとする5大スター共演の話題作です。
5人全員がアカデミー賞ノミネートという快挙をなしとげ、その中でも、
助演男優賞にフランク・シナトラ、助演女優賞にドナ・リードが受賞している。
シナトラのアンジェロ役への抜擢はマフィアの影響力が働いたというのが
通説で話題となっている。ストーリーとしては、ウォーデン軍曹
(ランカスター)とキャプテンの妻役(デボラ・カー)の不倫と、
もうひとつはプルート(モンゴメリー・クリフト)の上官からの体罰、
アンジェロ(シナトラ)との友情、そしてクラブのホステス(リード)との
熱愛という二つのエピソードからなっている。
全体的には、真珠湾攻撃前後のハワイ(スコーフィールド陸軍バラック)を
描いている。全てはハワイでの撮影で、実際の真珠湾攻撃時の映像も加えられて、
かなりリアルです。クリフトが壮絶な死を遂げた場所は、ハワイアンオープン
(現ソニーオープン)でお馴染みのワイアラエ・ゴルフカントリーの
バンカー内でした。
名曲アロハ・オエが流れる中でのラストシーンは、船上ハワイを去って行く
2人の女性(カー、リード)が隣り合わせで、それぞれの思い出を語る
ところは見せ場で、世界最強のアメリカ軍が日本軍の宣戦布告の裏で、
軍人と女性の関係を2通りの悲劇として映し出した名監督フレッド・ジンネマンは
流石でした。
悪漢軍曹役のアーネスト・ボーグナインもいい演技をしていました。