時間・空間・人物 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
凜野ミキ先生が「自主軟禁」を愛して描かれた短編集(4編収録されています)です。
誰も強制なんてしていない、出られるのに出られない、出たいのに出たくない、そんなお話達です。
凜野先生ならではの作品ですね。人間の中に潜む狂気というか情といいますか…。
人の心の昏さを表現するのがとても上手な作家さんだと思います。
内容は大まかに、
「復讐の巻」 彼女を殺された高志(たかし)は殺人犯の晃一(こういち)を自室に招き入れ前代未聞の復讐にとりかかる…。
「病院の巻」 高志は仕事を頑張り過ぎていると友人の創一(そういち)に強引に入院させられる。其処で弟の晃一に出会うが彼の過去には…。
「純愛の巻」 あるアパートに引っ越した、童話作家に憧れる高志。隣の部屋に住んでいたのは、ナルシシズムを究極の純愛という晃一がいて…。
「期待の巻」(描き下ろし)
晃一と付き合う事の叶わなかった高志は「キミを遠くから見つめ続ける」とよく判らない事を言うが…。
といった感じですね。
全体のお話で出て来るキャラクターの名前や顔は全部同じですが、お話は繋がっていません。
全くの別人とお考え下さいね。
ほんの少しですがBL表現も出て来ますので受け付けない方はご注意下さいませ。3,4コマ程度出て来るだけです。
暗めのお話なので其れをお求めの方、凜野ミキ先生のファンの方にはおすすめします!
明るいのが良いわ、という方は同じく凜野ミキ先生の「冥界噺」の方をお読みになってみてはいかがでしょうか。
この作家さんの作品はおすすめですよ♪
一友社名作劇場1 桜の森の満開の下/夜長姫と耳男
凛野ミキさんが描かれるブラックな感じの漫画が大好きなのですが、今回はブラックなうえにいつも以上に美形キャラが多くて、すごく凛野さんのよさが出ていました! 着物とか平安時代(?)の街とか、今までの凛野さん漫画にはなかった要素も楽しめます。1冊で終わりの単行本だから、ちゃんと完結まで読めたのもよかったです。(「光」の続き待ってます…!)
光 4 (4) IDコミックス ZERO-SUMコミックス
何かもう人間の精神性のグロイ部分ばかりにスポットを当てたかのようなこの作品・・・
万人受けするわけはないですが、わたしは滅茶苦茶好きでした!
でも万人受けしないという事は、打ち切られる可能性もあるわけで・・・この『光』はそんな終わり方をしてしまいました。
描いていた凛野ミキ先生も不本意だったようですが、読者の方がより不本意なわけで・・・最終巻なのにな〜〜んにも終わってないよぅ!!(作者はこのお話の真のエンディングを知ってる分羨ましい・・・)
まだまだこれから面白くなるはず!っていう期待感が煽られたままの終焉に、読み終わったあとは『不本意な完結』と最初からわかっていたにも関わらず、『ニャ〜!』とでも叫びたくなりました。本来なら☆5つですが、不本意な完結なので☆4つ。
気のせいかもですが1巻〜3巻に比べて4巻は表紙も気合が入ってない(笑)
それでもこういうマンガはあまり見かけない、個性的なものでした。
人間とは斯くも浅ましく、利己的か・・・そんな思いを新たにする事請け合いですよ(嬉しくねぇ!)
精神的にも肉体的にもグロイのは平気だ、と言う方はゼヒ!!お手にとってご覧下さい。