顔のない眼 [DVD]
フランスのカワイイ、ホラー映画。何がカワイイかというと映画にでてくる小道具の数々。本当はとても悲しい映画です。余韻いっぱいのエンディングが底なしに悲しい。アリダ・ヴァリの扱いが少々素っ気ないのが気になりますが・・・・さまざまなパクリを生んだ古典。
顔のない眼 [DVD]
ピエール・ブラッスールは皮膚移植の権威として高名な教授である。娘のクリスチーヌが交通事故で顔の皮膚をなくしてしまった。事故は教授のせいだったのである。そこでわかい女を誘拐して、その顔の皮膚を娘に移植する。
メスが血をにじませながら皮膚をはいでいく場面は、目をそむけたくなるほどだが、カメラは冷徹に追いつづける。誘拐しようとする若い女を探すところから、すでに残酷な結末を予感させておそろしい。
移植は失敗する。絶望したクリスチーヌは、実験用の猛犬に頬をよせてを哀しい心をかよわせる。大きな犬が眼をとじて顔を寄せてくるところもまた、異様な美しさをかもしだして切ない。暗い闇に消えていくクリスチーヌ。舞う白いはと。なんともやりきれないラストシーンは詩的な美しさがある。
恐怖映画であるが幻想映画でもある。こんな映画は平均的な常識人ではつくれないだろう。見た後の衝撃は、気持ちがガクガクしてとうてい平静ではいられないほどだ。おそろしい。