家政婦のミタ エピソード・ゼロ (日テレbooks)
最終回までに読んでおくと確かにミタさんの過去をより知ることができるけど、
ほとんどミタさん自身がしゃべったことに毛が生えたような内容だった。
これを読んだから最終回が絶対に楽しめる!!という印象はなかった。
最終回を見た後で思うのかもしれない・・・。
ページ数も140ページほどなどでする読める。
※発言集が多すぎる気がするけど・・・
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現時点での遊川さん脚本のドラマの最高傑作でしょう。
2011年の日本社会の陰惨さと病理、そしてその中から湧き上がってくる暖かい人間のぬくもりを包摂した名作ドラマとして評価されることでしょう。学術的・文学的にも精読?する意味と価値を持ち合わせています。また内容も日本のみならずアメリカ始め世界中でも理解されやすいプロットなので、さぞかしリメイク権の争奪戦は大変なことになるでしょう。映画化・続編はないとのことですが、アメリカ版が見られるかも。
内容には直接関係ないですが映画『アメリカン・ビューティー』を思い出しました。陰惨ながらも笑いのつぼの感覚は近いかも。
松嶋菜々子の実力を存分に発揮させた演出(あと相武のぶっちゃけ感もいいですね)にも拍手。
NHKの大艦巨砲主義、CXの物量作戦、TBSの伝統墨守主義に対して、日テレのドラマは職人肌のバントが目立つのですが、本作はまさに九回裏逆転満塁ホームラン。日テレはたまにこういうことがあるので侮れない。泉下の氏家氏も喜んでいるであろう(笑)。
またやりよう次第では既存メディアも十分戦えることを如実に証明した作品としても歴史に残るであろう。
陰惨なことが続く日本社会だが、この作品はまさに「一服の清涼剤」として話題をさらっている。そしてドラマが社会で出来ること、テレビが社会に出来ることをなんとなく示した作品なんじゃないでしょうか(書生談義ですみません)。
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☆最終回で何と前人未到の40%というトンデモない空前絶後のウルトラ視聴率を叩き出した、紛れもなく今世紀最大級のTVドラマであると言っても過言ではない、読売の『家政婦のミタ』。大体〈家政婦〉を扱った有名な人気ドラマと言えばABC=(朝日)の『家政婦は見た!』の市原悦子さんのイメージが強いが、こちらはそれを逆手に取った、もっと奥深い非凡な人間ドラマに作られている。あらすじを具体的に書くのはエチケットに反するので伏せておくが、とにかく観る者をグイグイ引きずり込む密度のきわめて高い、斬新かつ固定概念を覆す、メリハリの効いた柔軟な構成力には驚かされる。常に視聴者の予想を裏切るツボを押さえた先の読めない油断大敵なお話が続くからだ。コレには心地好い嬉しい気持ちにさせられる。とにかく〈引き〉がウマイので、毎週水曜日の放送日が待ちきれなかった。三田灯の秘密の過去が徐々に明るみになっていく謎解き的な要素もこのドラマの隠し味にして真骨頂。機械的で、ほとんど言葉を発せず、無感情な家政婦、三田灯=(松嶋菜々子)の特異なキャラクターも魅力的。オマケに彼女は文武両道の完璧な天才?家政婦。市原悦子さんのオバチャン家政婦はやたらに喋りまくる耳障りな、やかましい人物だったのに対して、松嶋菜々子が演じた家政婦、三田灯は静止&沈黙のキャラクターである。それ故に予想不可能な行動をとるのが無気味。そして犯罪行為に成りかねない、どんな危険な命令でも忠実に有言実行しょうとする三田灯の戦慄を禁じ得ないその姿には視聴していて寒気がする程。それも一寸のスキもない精密なコンピュータのように。流行語?にもなった〈承知しました〉の名セリフも耳にこびりついて離れない。実際にこんな家政婦がいたら雇うのを躊躇するでしょう…。私ならば(笑)。三田灯の存在は今現在の日本社会が抱えている歪んだ人間関係と日常生活に潜んでいる不条理な恐怖、秩序の混迷ぶりと腐敗堕落を痛烈に風刺しているのだろう。にもかかわらず、見終わった後に一種のペーソスと清々しさがわいてくるのだから恐れ入る。喜怒哀楽を封印し感情を表に出さないハイレベルに近い困難な役柄をこなした松嶋菜々子の天然的な表現力には脱帽する。まるで天使と悪魔の両方をミックスしたような迫真の演技である!。個人的にハッピーエンドな三田灯さんの吹っ切れた明るくもサラっとした【笑顔】をじっくりと拝見すれば、このドラマが製作された意義が充分に理解できる。それによって我々も幸せな気分に浸る事ができるし、人間が本来持つべき忘れかけていた大切な物を思い出すに違いない。終始ダークな展開でありながら、そこに純粋な愛とホロリとした感動を埋め込んだ用意周到な演出と気配りが行き届いた設定にはもはや?唸るしかない。出演者もバランスがとれている適材適所な配役が揃っているし、アットホームのような温もりのある雰囲気もよろしい。特に我がゴヒイキのいぶし銀のベテラン男優、平泉成さんが渋味あふれる手堅い芝居ぶりを披露してくれる。主題歌のレコチョクも作風に大きく貢献。このドラマが視聴者に大歓迎され、大成功した要因は『家なき子』や『GTO』等の遊川和彦氏の綿密で格式的な脚本のオカゲである事は一目瞭然。遊川和彦さんお手柄でした。商業主義的な映画化や世論&話題性にあやかったような強欲なTVドラマの続編予定も絶対にないと自ら断言した遊川和彦さんの揺るがないポリシーにも気概を感じた。それでこそホンモノの男である!。ちなみに読売テレビ経営陣も偉いと思う。本当に立派!。それにしても『家政婦のミタ』は日本TVドラマ史上の歴史に名が刻まれる最高の大ヒットを記録した日本ドラマ界の朗報&救世主の王冠を与えても決して大袈裟ではないと思う。筆者は全面降伏です!☆。
日本テレビ系水曜ドラマ「家政婦のミタ」オリジナル・サウンドトラック
このドラマで音楽の果たした役割がとてつもなく大きかったことを心から実感するアルバム。運転中に聴いているが、自分でも驚くほどいくつものシーンがよみがえってくる。音楽の力ってすごいとつくづく思った。このドラマのファンだった人は本当にぜひ聴いてみてほしい、感動すること間違いなしです。