ウィンターナイト・トラジディーズ
どっかのベテランによる、とても聴きやすいブラックメタルです。邪悪というより悲愴感やクサイ印象が強いと思います。
全曲わりと速い程度で、他のブラックメタルの暴虐な速さはありません。
ボーカルはわめくタイプです。勇壮なコーラスもあります。
ギターはクサいリフが盛りだくさんです。ソロもあります。
超人的スピードのブラックが好みな方にはぬるいでしょうが、ブラック初心者やクサメロ好きにはオススメできます。
若干、ダサい感じがありますが、カッコいいアルバムです。
Abrahadabra
ノルウェイのブラックメタルの重鎮DIMMU BORGIRが放つ8作目。
今作は、これまでクリアヴォイスのパートを担ってきたベースのヴォルテクス及びシンセのムスティスが脱け、サポートドラマーとしてその辣腕を振るってきたヘルハマーまでもが本業のMAYHEMに戻ってしまうというあまり喜ばしくない出来事の中作成されたものだ。
その穴を埋めたのは、ベースにKING DIAMONDやDREAM EVILでドラムを務めたSNOWY SHAW、ドラムにはVADERのDARAY(サポート止まりのようだが・・・)。これまでヴォルテクスが担ってきコーラスパートはかなりのウェイトがあったと思うし、これを楽しみにしているファンもあったはずだが、本作ではSNOWY SHAWがその多才ぶりを発揮している。またオケもシンセアレンジではなくフルオーケストラを用いクワイアも参加させ、それはもう重厚かつ壮麗なサウンドとなっている。恐怖映画の如き雰囲気で、「DOMNATION AND A DAY」期のCRADLE OF FILTHに肉迫せんばかりである。
ただ、ガルダーの流麗なギターソロパートが少ないのが残念。そんなこともありDIMMU BORGIR史上最高傑作とはいえないものの、強烈な一枚であることは間違いない。
今回BOX SETを購入したが、次作も今回と同様の単なる特殊な4面見開きジャケットだとしたら間違いなく通常盤を購入するな・・・。
Invaluable Darkness [DVD] [Import]
シンフォニックブラックメタル2大巨頭の一角Dimmu Borgirのライブ、PV集
1枚目はInvaluable Darkness tourでのライブとステージ裏
2枚目はWacken2007,P3 session(3曲のみ)とプロモ6曲、photo集、ゴールデンアワード受賞のシーンが収録
3枚目はP3 sessionのライブCDといった内容。
新作にあわせキーが下がってるのでそこさえ気にしなければ迫力のあるステージが楽しめる。ドラマーはHellhammerではなくOzzfestにも参加したTonyだ。
プロモはかなりこっていて、新作のは中世をモチーフにしたなかなかかっこいいつくりだ。
なかなか来日が実現しないだけにしばらくはDVDを見て残念ながら我慢するしかないようだ。
インヴァリュアブル・ダークネス [DVD]
シャグラット(vo) シレノス(g) ガルダー(g) ムスティス(key) ヴォーテックス(b,vo) トニー・ラウリアーノ(dr)
ノルウェー出身シンフォニック・ブラックメタル・バンド。「In Sorte Diaboli」ツアーの模様を収めた2枚組ライヴDVD。2008年発売。
disc1は、ヨーロッパ・ツアーやバックステージから成る全80分。彼らの地元ノルウェーのオスロをメインに、ベルリン、ロンドンなどのライヴが収録されている。選曲も、新しいものから古いものまでバランスよく収められている。
disc2は、ヴァッケン出演時のライヴに加え、PV集、テレビ局でのスタジオ・ライヴなどを収録。このヴァッケンのライヴが、数万人にも及ぶ大観衆と相まってそれはもう壮絶で、オープニングSEの時点で何かとてつもない出来事の始まりを予見させるほど。
とっぷりと日が暮れた巨大な野外ステージ。彼らの音楽性や演奏力、たたずまいに加え、照明や火薬、炎などの舞台効果が合わさり、数万の群衆が熱狂するその光景は、畏怖すら感じる。
ちなみにシャグラットはMCまですべてデス声。しかも全然無理しているように見えないのはさすが。
PVの方も、ノルウェー人の視点から“キリスト教による侵略”を描いた映画仕立てのものとなっており、彼らがなぜキリスト教を憎むのかがよくわかる内容となっている。
DIMMU BORGIR - World Misanthropy [DVD] [Import]
本作はPURITANICAL EUPHORIC MISANTHROPIAに伴う2カ所でのLIVE及び弾けたバックステージ、インタビュー、ボーナストラックが収録されたお買い得版。演奏技術など文句の付けようがない完璧なブラックメタルだ。音質も良い。GALDERの格好良さ、VORTEXのクリーン・ボイス、SHAGRATHのカリスマ性、どれをとっても素晴らしい。ボーナストラック(PV)の一曲には、なんと現SINERGYの(まだ痩せている)キンバリー・ゴスがキーボード奏者として映っている。