アナスタシア （日本語吹替版）

愛と冒険が魔法でブレンドされた、華麗なプリン�

アナスタシア [DVD]

イングリット・バーグマン主演の「追想」をリメイクした1997年のアニメ。まずアニメ動画の質がやたら高く、絵だけ観ているだけでも満足。そこに歌がいっぱいのミュージカル仕立てとなっており、ラブ・ロマンスの魅力を最大限まで引き上げている。ラストあたりで、いいおっさんが涙しそうになったくらいだ。一見するとディズニー映画かと思いきやそうではあらず。どこの会社が作ったかは知らないが、とてもとても素晴らしい。王女様に憧れるロマンティックな女性が観たら満足するのは間違いないね。 アナスタシア [DVD] 関連情報

Anastasiaがアニメ化されると聞き、当時アメリカに住んでいた私ははりきってVHSを購入したのですが、時代が流れ、あらためてDVDを購入することにしました。内容は、イングリットバーグマンとユルブリンナーの「追想」のオマージュといえますが、幼少のアナスタシアが祖母に渡した女の子の絵は実在のアナスタシア皇女が子供の頃描いた絵を使用していたり、劇中の弟のマリンルックな格好や一家の写真といい、「追想」では描かれていなかった写真や絵といった実際の遺品を丁寧に拾って来ているなという印象です。ただ、子供向けということもあり、アーニャの持つ「皇女たるプライド」があまり描かれず、アーニャがただの鼻っ柱の強いヒロインという印象が残念です。普通の貴族とちがって、身なりはぼろぼろでも王族の姫君として持つであろう自分への誇りや周りの人間への接し方がもっと描かれていれば説得力があると思うのに、あれではただの気の強い子だよな〜と。Together in Paris（パリで会いましょう）　という言葉が劇中出てきますが、当時、実際にパリにはロシアからの亡命貴族が沢山いました。今なお、パリを歩くとサーモンやキャビアを取り扱う店をあちこちにみかけます。当時フランス語やフランス風文化がロシアの貴族の教養だったことを考えると、パリという地名は全く唐突ではないといえるでしょう。サンクトペテルブルグからパリまでは随分と遠いけど！アーニャがさびれた宮殿で空想の舞踏会で踊っていたとき、亡霊の家族たちが彼女を迎えるシーンではいつも胸がいっぱいになって涙が出てしまいます。アニメでここまで表現できることに、脱帽です。アナスタシアの家はかつて数百年にわたって広大な領土をおさめていた豊かな王族で、ヨーロッパ中の王家と深いつながりを持っていた由緒正しい一家でしたが、最期は国家犯罪人として人知れず暗殺され、富も名誉も親戚も結果的に彼らを守ってはくれませんでした。そしてその死の真相は７０年近くも闇に葬られていた為にこのようなファンタジーに塗り替えられ、「生きててほしい」という庶民の祈りがこうした形でアニメにまでなっていることに時代を感じます。そして現代にこのストーリーを蘇らせた制作者のチャレンジを感じます。これをみた子供たちが、なぜアーニャがこのような過酷な運命のヒロインだったのか、歴史に興味を持ってくれたらいいなと切に願います。 関連情報

アナスタシア【日本語吹替版】 [VHS]

[映画「アナスタシア」の情景]時代の荒波の中にその悲劇の生涯を閉じたヒロイン、帝政ロシア・ロマノフ朝の皇女アナスタシア。しかし、革命後、いつの頃からか、アナスタシアが生きているという噂が広まり出します。やがて、自分こそがあの皇女アナスタシアである、と名乗り出る女性が数多く現れ、ロシア革命後をいかにして生き延びたのか、様々なエピソードを提供してくれるのです。なぜ人々はアナスタシア生存説に心魅かれたのか？人々が期待したものとは何か？人々にとってロマノフ朝のもつ意味とは何か？アナスタシアという存在を通して、様々なことを考えさせられます。本作品は、２０世紀の有名なミステリー・アナスタシア伝説をもとにした物語です。映画の舞台は、絢爛な帝政ロシアに始まり、革命後、冬の陰陰たるサンクトペテルブルクを経て、春の華麗なパリへと移っていきます。第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期にあたる１９２０年代、パリは芸術の都としての地位を回復し、国際社会の中心としてあらゆる文化が華ひらいていました。アメリカやヨーロッパなどから多くのボヘミアン達を惹き付け、世界中から著名人達が集まる都市でした。劇中においても、モーリス・シュヴァリエ、ジークムント・フロイト、チャールズ・リンドバーグ、ジョセフィン・ベーカー、クロード・モネ、イサドラ・ダンカン、オーギュスト・ロダン、ガートルード・スタイン、など、当時の著名人達がゲスト出演しているシーンが観られます。パリは最先端の活力に溢れた場所であり、革命後のロシアとは対極の様相を見せていたわけです。革命後に皇太后が選んだ移住先は、実際にはデンマークのコペンハーゲン近郊ですが、劇中の設定ではパリを移住先にすることで、物語が見事にロマンティックに彩られています。本作品は、２０世紀ＦＯＸが製作したアニメーション映画です。ディズニー映画と混同されることが非常に多いのですが、それはディズニー出身のドン・ブルース氏とゲイリー・ゴールドマン氏が監督を務め、多くのディズニー出身者が製作に携わっているためかもしれません。ストーリー構成に関しては、１９５６年公開の映画「追想（原題：Anastasia）」と非常によく似ているため、相互に観くらべてみるというのも一興かもしれません。[ストーリー本編]映画「アナスタシア」は、ロシア革命の際にアクシデントで記憶を喪失したヒロイン「アーニャ」が、失われた本来の自分自身を取り戻すために、物語の鍵となる約束の地「パリ」を目指すストーリーです。「アーニャ」は、道中意気投合した「ディミトリ」や「ウラジミール」とそれぞれの思惑を胸中に抱えながら、命をつけ狙う悪役「ラスプーチン」の魔の手も逃れつつ、「パリ」にて孫娘「アナスタシア」を待ち続ける祖母「皇太后」に会いにいきます。そのストーリーの随所で展開されるミュージカルシーンがこの映画の見どころの一つ。躍動感のあるアニメーションと素敵な音楽が大変に印象的です。ときに美しく、ときにロマンティックに、ときに切なく、ときにコミカルに、・・・。さまざまなシーンを素敵に印象深く魅せてくれます。物語に彩りを添えてくれるのが、「アーニャ」と「ディミトリ」のロマンスです。お互いの立場を考慮し、「アーニャ」の幸せのため身を引こうとする「ディミトリ」と、その気持ちや過去の真実を知る由もない「アーニャ」。いくらかのすれ違いを見せながら、二人の気持ちが交差するのは、素敵で華やかな「パリ」という終着点。物語を盛り上げてくれます。パリで「皇太后」との再会後、「アーニャ」に訪れるのは人生選択のターニングポイント。自分なりの幸せを・・・、と「皇太后」からやさしくうながされる「アーニャ」。そして、その直後の「ラスプーチン」との因縁の終止符は、新しい未来への力強い一歩を感じさせてくれます。[終わりに]今という時間を大切に、まっすぐ駆け抜けていくヒロインの姿がとても印象的な作品です。すでに家族（両親や姉弟たち）を失い、たった一人残されるという壮絶な境遇の中でも、苦労を跳ね除けた、何事にもとらわれることのない、たくましくのびやかな姿を見せてくれています。ヒロインの壮絶な境遇を生んだ過去の悲劇については、あえて詳細に描かれていません。そのため、お子さんと共にご家族で安心してご覧いただける内容になっていると思います。自分探しの旅は、決して過去の自分を取り戻すだけの旅ではなく、未来に向かって歩む旅でもありました。素直に幸せを感じられるストーリーだと思います。ロマンティックで素敵な映画です。 アナスタシア【日本語吹替版】 [VHS] 関連情報