写真の美しさも好印象でした。また取り上げられている「昭和住宅」のそれぞれが個性的で、住む人や建築家の感性を見事に表しており、息吹が感じられるものです。「昭和住宅」に常日頃関心があることもあり、このようやコンセプトの書籍の刊行は嬉しい限りです。冒頭に大井隆弘さんの「ジブリ映画にみる昭和の家」は興味深い文でした。ジブリ映画に登場する家の間取りが紹介されてあり、『コクリコ坂』の「メルの家」、『となりのトトロ』の「サツキとメイの家」ほかがその特徴と共に語られていました。この変化球的な取り上げ方は楽しめました。意外性もあり、昭和住宅の魅力を違う角度から論じています。心惹かれるのは洋風やモダニズム系の建物でした。モダンやハイカラと言う言葉が相応しいような近代的な昭和の建築の魅力が写真と解説から伝わってきます。最初の「洋館と和館が並ぶ家」では「旧里見弴邸(これは5ページの分量で丁寧に説明してありました)」「旧田中家住宅」「旧山崎家別邸」「旧柳下邸」の4つを取り上げています。上質紙に美しいカラー写真で紹介ですし、外観だけでなく内部の設えも分かるように配慮された編集でした。何れも美しい建物を作る誇りのようなものが見えてきますし、当時の設計士や職人の矜持などが感じられます。旧里見弴邸に代表されるように、建物の内部の写真が沢山紹介してありました。実にモダンですね。昭和初期にかけて施工されたものが多いように感じましたが美意識や技術の粋がそこから見てとれます。西洋の技を日本の風土や生活習慣にいかに根付かせるかという工夫が感じられる内容でした。「西洋民芸の家」では、22ページの「大山崎山荘」、23ページの「小林一三邸」など、よく訪れことがある住宅は解説も身近に感じもその特徴を反芻しています。実際の建物も漠然として眺めたり、内部を観賞していましたが、これらの解説を知れば見方が変わります。「藤棚とパーゴラ」では、京都にある「駒井家住宅」を取り上げていました。 5ページの分量で詳しく紹介してありますが、この駒井家住宅は、北白川疏水沿いの閑静な住宅地にあります。古色を帯びたサンルーム(42P)が戦前の住宅建築の美しさを感じさせるでしょう。これはヴォーリズの設計です。階段のカーブの柔らかさを感じさせる内部の設えを当方は魅力的に感じてきました。毎週金曜日と土曜日に拝観が可能ですから、もし京都観光に来られる際は一度立ち寄られれば感慨を受けられる住宅だと思っています。「曲面のある家」の「旧朝倉文夫邸」「旧原邦造邸」「岡本太郎邸」のように現在はそれぞれ美術館として有名ですが、当然元は住宅だったわけで、本来の機能美にも気付かされました。いずれも風雪に耐えてきた素敵な昭和住宅が戦災や高度成長の波を乗り越えて21世紀まで残されています。歴史の生き証人のような昭和住宅も少しずつ姿を消そうとしています。その場所で生活を営んできた人々の住まいですので、住宅の歴史は家族史であり生活史であり世相史でもありました。古き良きものを残していく努力は一人では出来ませんので、それぞれの建物を支える関係者の努力も感じ取れました。 昭和住宅 関連情報
昭和住宅物語―初期モダニズムからポストモダンまで23の住まいと建築家
住宅の歴史。古い住宅で思い出すのは、戸建て借家に住んでいた頃。京都の借家は戦前の家だった。トイレが「厠」と言わんばかりに木の床の廊下を歩いた北面の端にあった。畳はいわゆる「京間」。玄関の脇にある沈丁花の花が今も記憶に残る。最近はフラットなモダンデザインだったり、派手な塗り壁の輸入住宅だったり、古民家風の平屋があったり、新築住宅のデザインはほんとにバラバラ。ハウスメーカーや工務店の家はともかく、建築家はどう考えていたのか、そんなことがこの本を読みながら、おぼろげながらわかってくる。それにしても、大正の家でも見た目は決して古さを感じさせない。「使用人室」など、間取りは時代を感じさせるが。今の平らな陸屋根のモダン住宅も、元をたどれば30年代の住宅に行き着くのかな〜とか、読んでいるとイマジネーションが広がる。戦後の家でも、VAN創始者・石津氏の家は間取りがおもしろかった。3畳ぐらいのオープンな子供部屋が並んでいるのは、最近の「子供が部屋にこもらないように」という間取りスタイルに似ている。いつまでも古さを感じさせない家を自分が建てられるかどうかはわからないが、本を読みながら家づくりについて深く考えたいと思った。一つだけ残念なこと。写真が全て白黒のこと。藤森氏が文章で色も含めて解説しても、読者は目で確かめることができない。初出が古い本なので仕方ないのかもしれないが、この手の本はカラー写真を入れてほしい。 昭和住宅物語―初期モダニズムからポストモダンまで23の住まいと建築家 関連情報
とてもすばらしいおもちゃ.たいへん好きです!簡単に慣れやすいです! 建物コレクション 建コレ109-2 洋館付き住宅・医院2 関連情報
ハイハイ、つかまり立ちを始める赤ちゃんと、アトピーの主人のために安全で乾燥しない暖房器具を探していました。日中はつけっぱなしです。暑過ぎる事はないので本当にこの部屋暖まってるのかな?と、窓を開けてみたり他の暖房を付けていない部屋から夢暖望の部屋に戻ってみたりすると、確かにじんわりと温まっていると感じるので、自然な暖かさなんだなと思います。赤ちゃんも最近はアクティブに動き回っているので(笑)この位でちょうどいいのかもしれません。触っても安全だとは思いますが、念のためベビーゲートの向こうに置いています。主人はエアコンの部屋だとこれまでは酷く痒がっていましたが、大丈夫そうです。タイマー付きにしましたが、コンセントに差し込むタイプの市販のもののようです。今の所機会がないため使っていません。色はホワイトの方がインテリアに馴染んで洋室には合うと思います。メールのやり取りや、公式サイトからもメーカーの方のものづくりの想いが伝わりました。お値段はそれなりですが、中途半端な安いものではなく、思い切って購入して良かったです。 関連情報
メーカー直販のホワイトがアマゾンで入手できてよかったです。パネル型と迷ったのですが、置き場所を手軽に移動できる本商品で正解でした。わが家は木造ですが新しい家のため機密性が高いと思われ、本格的な寒さを迎えた12月現在でも本商品+コタツのみで、エアコンを使用せずに済んでいます。設置した床部からほんのりと本体そのものが暖まるので、暖気が天井のほうに逃げることもありません。また、オイルヒーターよりも即暖性に優れています。ただ、これから電気代が結構かかりそうで、その点は心配です。総合的には安全性も含めて満足度の高い製品です。付属のタイマーもこれ以上ないくらい簡単で使いやすく、色・デザインもかわいくて◎です。 関連情報