幾夜大黒堂 ランキング!

幾夜大黒堂 いくじなしの恋 (芳文社コミックス)

本書の裏表紙の解説には、「幾夜大黒堂・初のライトH作品集!」とあります。これは、筆者がこれまで多くのアダルトコミックスを執筆していた事からの表現だと思います。さて、実際の本作を読んでみますと、まさしく“ライト”でした。えっちなシーンの描写は軽めで、ストーリーもラブコメ色の強い明るいものです。結果、えっちなシーンよりも物語重視の、私好みの作品集になっています。あと、短編集である本書ですが、各作品の後日談が4コマ漫画やイラストなどによって描かれているのも、最後の“オチ”が着いたようで、楽しい印象を残してくれます。作者によるコメントも添えられています。ちょっとえっちで、楽しいラブコメが好きな方には、オススメの作品です。ただ、“ちょっと”の程度が、人によっては違うので断っておきますが、本作品集には全て、ちゃんと肉体的に結ばれるシーンがあります。個人的は、ドタバタラブコメの色が強い、ど田舎の閉鎖性故になかなか関係を深められる機会のない恋人たちの『進みたい、進めない。』と、同棲する彼氏に“すっぴん”を見せられない女の子のお話『素顔はないしょ♪』がお気に入りです。 いくじなしの恋 (芳文社コミックス) 関連情報

幾夜大黒堂 境界のないセカイ(1)<境界のないセカイ> (角川コミックス・エース)

マンガボックス(講談社)から表現の問題で連載を打ち切られ、エース(角川)に移ってコミックス化されたという、ある意味話題作。実際こういう形でも話題にならなければこのマンガの存在を知ることもなかったろうし、まして買う気になったりもしなかっただろう。さて読んでみても、果たしてどこが問題なのかが解らない。内容自体はごくありふれたTS系萌えラヴコメで、「性選択の自由なセカイ」というのが特徴ではあるが、第1巻を読んだだけではこれといったテーマや問題提起も感じなかった。一部報道では、第5話の「女性なら男性と恋するのが普通でしょう?」という台詞が問題視されたのでは報じていたが、その部分にしろフィクション作品の表現としてとりわけ問題があるようには感じなかったし、LGBT団体の中にはこれは差別表現に当たらないと声明まで出してる所もある。というか、この程度の表現や設定の漫画や小説は今まで腐るほど有るわけで、この漫画自体社会派作品でも何でもなく普通の男性向けラヴコメでしかない。むしろ、TSF作品のほとんどがそうであるように、このマンガも性的マイノリティを擁護する立場にあるのも明白。実際、多くの作品で「男だから」とか「女子力」とか言うジェンダー表現が頻繁に且つ普通の言葉として使われており、一体講談社は何を恐れていたのかが全く以て理解できない。こうなると、実は単に人気がないから打ち切ったとか、作者と編集部との人間関係的な問題なのかもと疑ってみたくなる。現に出版社を移籍したのだから、宣伝工作というのは明確に違うのは解るが。さて、内容の方であるが、絵的には安定感も有りそんなに悪くない。第9話は少しシリアスな内容になるが、その他はよくあるTSラヴコメ展開。帯に書かれている「性の『境界』線を世に問う」という部分であるが、第9話で性的マイノリティの苦悩にやや触れかかるが、事実上その辺の問題はこれから先の展開と言うことになるだろう。勿論、萌え系ラヴコメ漫画としてそこそこ面白いレベルではあるし、続きも読んでみたくなった。 境界のないセカイ(1)<境界のないセカイ> (角川コミックス・エース) 関連情報

幾夜大黒堂 ふぇちっくす!1 (Flex Comix)

帯にも堂々と「登場人物みんな変態」と明記してありますからぶっちゃけますが、木を隠すなら森の中、変態キャラを隠すなら変態世界の中と評すべきある意味方向性のはっきりした作品です。とりあえず男の娘に耐性があれば大丈夫(笑)、テンポよくというかお姉ちゃんの実の弟に対するスーパーハイテンションな想い入れでストーリーがジェットコースターのように進みます。成人向けでは実績のある作家さんなので、作画は良好、カバー裏に作品解説があるのも作品への思い入れが感じられ好感がもてます。その作品解説にも書かれていらっしゃいましたが、コマの密度が連載物としては濃い目の感じはありますので、今後連載を続けることでバランスが取れれば、もっと読みやすくなるとおもいます。二巻目では、周囲のキャラクター達が動き出して物語世界が広がることを期待します。 ふぇちっくす!1 (Flex Comix) 関連情報




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