Original Album Series: Aztec Camera
Oblivious、一見ソフトで綺麗なメロディだが、ロディ・フレイムの挑戦的とも言える視線はとても印象的だった。1980年代はUkポップスがブームだったが、Duran Duranやカルチャークラブ、その後のマドンナプリンスなどの派手さはないが存在感のあるバンドでした。このバンドを知ったのは、TVでピーター・バラカン氏の紹介でしたが、美しいメロディラインと無駄のないサウンドは、装飾過多のその当時の他のバンドと違い対照的でした。VAN HALENのJumpをアメリカへの皮肉とも取れるように歌ったのもとてもシニカルで鋭い感性を持っていたロディ・フレイム氏らしかったです。ルックスは甘く貴公子のような品がある感じだったのに(笑) Original Album Series: Aztec Camera 関連情報
感想とか評とかそんなものは無い、ただただ一気に読んだ。絶望と希望。人間はやはり凄い生き物だ。現実を、暗闇にも晴天にも作る事が出来る。とにかく一気に読んだ。 ハイ・ランド、ハード・レイン 関連情報
80年にロディ・フレイムを中心に結成されたスコットランドのバンド、アズテック・カメラ。フリッパーズ・ギターが彼らからの影響を公言したり、プロデューサーに坂本龍一氏を迎えたりと、日本人に馴染みの深いバンドでした。また、この時期に起こったネオ・アコースティックというムーヴメントの代表的な存在だったことも、日本での知名度を上げる助けになりました。アズテック・カメラの音楽性は?と訊かれたときにまず頭に浮かぶのは、アコースティック・ギターとヴォーカルを中心とした、爽やかな音楽というイメージです。ネオ・アコにカテゴライズされていることからも、このイメージは決して間違ってはいません。しかし、よく聴いてみるとアズテック・カメラの音楽は決して単純なものではありません。例えばロディ・フレイムのギター。シングル・カットされてヒットを記録した『Oblivious』でのギター・プレイの複雑さ!私はアズテック・カメラというと漠然とコードを引き続けているというイメージがあったのですが、しっかり聴いてみると頻繁にリズムを変えたり、アクセントとなるメロディを入れていたり様々なプレイをしています。中盤でのギター・ソロも素晴らしいですし、曲の後半になると前半とはまったく違ったギター・プレイになっていますね。そして、次の『The Boy Wonders』では導入部分で非常に繊細なプレイを聴かせておいてから、一気にスタートさせるという構成になっています。そしてこの曲はとにかく構成がすごい!サビで入るハンドクラップが後半での展開への布石になっていますし、サビの終わりでの畳み掛けるような性急なヴォーカルもインパクトがあります。こういった布石を打ちながら、後半に入ると合いの手のようなコーラスが入り、最後はロディ・フレイムの"High Land, Hard Rain"というシャウトの繰り返しで終わるという衝撃的な展開。歌詞からもこの曲がこのアルバムのタイトル曲でしょうし、それに見合うだけの力作になっています。アズテック・カメラ〜ロディ・フレイムというとギターとヴォーカルというイメージが強いですが、このアルバムを注意深く聴くと、曲を書き終えてからどれくらいの時間をかけてこの作品を作ったのだろうと考えずにはいられないほど、この作品のプロデュースは充実しています。ベースもサウンドがいいですし、非常に面白いプレイを聴かせてくれます。このプレイは間違いなくソウル・ミュージックに精通している証しです。他にも後半の長尺のギター・ソロが美しい『We Could Send Letter』や、趣向を凝らしたギター・プレイの『Release』など聴きどころが満載です。ロディ・フレイムの作曲能力に関しては言わずもがなですが、こういった練りに練られた演奏/構成がこの作品をネクスト・レベルへと押し上げています。これは80年代を代表する名盤だと断言できる作品です。
ハイ・ランド、ハード・レイン
坂本教授とスペインをモチーフとして作った1993年作。前作「スレレイ」が、ロックにジャズ、果てや打ち込みまで取り込んだ文字通り「迷走」だった分、本作は坂本龍一という優秀なプロデューサーを得て、非常に落ち着いたトーンとなっている。これはロディ流AORと言ってもよいのではないかというほど大人なサウンドは、悪く言えばロディが、最も老け込んだ時期の作品とも言える。とはいうものの楽曲のレベルは非常に高く、さすが坂本教授といっていい緻密なアレンジは、今聴いても十分に瑞々しさを保っている。特にM1「バーズ」とラストの「ベル・オブ・ザ・ボール」のバラードの美しさは格別で、スペインに対するロディのロマンチックな想いが伝わってくる。 ドリームランド 関連情報