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鷹党 大政翼賛会への道 近衛新体制 (講談社学術文庫)

大政翼賛会は総力戦体制を推進するための強力な指導体制として企画されたが、その実態は財界や右翼など抵抗勢力の存在により必ずしも所期の目的を十全には果たし得なかったことを本書は当時の史料などから詳細に論じる。従来大政翼賛会は軍国主義ファシズムの上意下達式統制機関のようにイデオロギー的に理解され、嫌悪されてきたが、そこに冷静な実証分析のメスを入れたのは高く評価できる。同時に戦後日本の復興が55年体制という大政翼賛会とある種似通った構造で発展してきたように思われる。実際本書を読めば55年体制下の自民党の派閥争いのようなことが大政翼賛会の内部にも見られ、両者の構造があまりに近いのにも驚く。大政翼賛会という在り方について今こそ冷静な研究が必要ではないかと思え、そのたたき台として本書は非常に有益な内容だ。 大政翼賛会への道 近衛新体制 (講談社学術文庫) 関連情報




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