佐々木修平 ランキング!

佐々木修平 監査役野崎修平 (10) (SCオールマン)

これは漫画である。しかし、下手な会社法の教科書を読むよりも会社法に強くなれると確信する。連載当時は、平成不況の真っ只中で、企業、特に金融機関の不良債権飛ばしが発覚し、不良債権処理で赤字転落、債務超過による破綻、そして大合併という現実の日本経済と平行して物語が進行していった。話の中で、総会屋でもある弁護士が「商法の条文上、監査役は使える人も調査費も青天井という建前だが、現実はまるで絵に描いた餅だ。」と言っているのが印象的だ。法の理念では、「監査役」は社長や頭取など「代表取締役」に対しても超然とした存在であるはずが、会社トップから取締役の横滑りポストとして宛がわれている例が多い。「銀行大合併編」と合わせると全部で16巻構成になるが、まんが喫茶に通い詰めてでも読破する価値があると思う。「頭取野崎修平」の連載も始まった。 監査役野崎修平 (10) (SCオールマン) 関連情報

佐々木修平 軍隊 (近代ヨーロッパの探究)

 これまで日本ではタブー視されることの多い、軍事に正面から切り込み、そこからヨーロッパ史に新たな視点を導入しようという意欲的な一冊。 軍事というのは合理性を最も要求される営みであり、ある意味では人間性や文明の象徴ともいえる。中世から近世・近代と時代が下るに従い、ロシアドイツ、イギリスの豊富な事例や理論的な考察が繰り広げられる。軍事が政治体制や経済制度、啓蒙思想などと密接に絡み合い、深く社会全体のありようを考える上で重大なヒントに満ちている。 大変意欲的かつ挑戦的な骨太の一冊といえる。 軍隊 (近代ヨーロッパの探究) 関連情報




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