2014年11月以来の原油価格低下により交易条件が改善して家計の実質購買力や企業収益に好影響を与えています。円もクロス円ではドル以外の通貨に対しては上昇していますが、ドル円は年内の米国の利上げ予想によりドル高・円安が予想されます。また統一地方選を控え今の状況では黒田日銀も追加の金融緩和に行きづらいと思われ、物価上昇率2%にこだわらず実体経済に即した柔軟な対応が求められています。この本ではとくに、シェール革命に関する記述を面白く読みました。いま資源国通貨は原油価格低下により下落しています。原油価格のこれからの推移や2017年、米国のシェール由来液化天然ガスの輸出が世界の通貨にどう影響するのか興味があります。日本の円は長期的には生産年齢人口の減少、生産性や輸出競争力の低下を背景に円安トレンドが見込まれます。今後購買力平価が現実の物価上昇率の上昇とともにさらに円安を加速させるようになれば、戦後の長期円高トレンドの反転を意味します。 とことん学ぶ通貨と為替 (週刊エコノミストebooks) 関連情報
良書だとは思いますが、翻訳本のあまりの高価さに負けてしまい、原書を約半額でAmazon.comから購入。購入後に、stanford.eduのサイトにそのまま、2nd edition, 10th printingがPDFで公開されているのを発見。本は重いので、普段はタブレットでPDF版を読んでます。原作者の懐の深さに感謝! 統計的学習の基礎 ―データマイニング・推論・予測― 関連情報