天体議会
本を先に読んでいてよかった。本を先に読んでから聞いて欲しい。CDとしてはとてもよかった。けど自分は原作の方と微妙雰囲気が違うと思うから原作が好きでこのCDを聴こうというなら(自分もそう)はがっかりするかもしれない。
少年アリス
長野まゆみ氏原作の透明感溢れる同名の作品を個性豊かな声優陣で織り上げたドラマCD。
長野氏の描く少年達の瑞々しさを「声」として置き換える試みは十分成功していると思われる。
だが、「目で追って(読んで)」美しい日本語と、「声に出して」美しい日本語には多少の差があって、原作のままの言葉回しでは少々聞きづらいところがあったのが残念に思う。
声優陣が豪華な分、また、原作に思い入れが深い場合は、キャストイメージがあっていないと思われたときにはオススメしにくい。
寺よ、変われ (岩波新書)
著者のお寺の檀家さんは七百軒。それを一人でお参りするなんて無謀ではないだろうか。「四苦に真正面から向き合って」という姿勢には共感するが、それが日頃のお参りの中でどれだけできているか疑問だ。気持ちはあっても物理的に無理だろう。棚経の五分の時間で、檀家さんの実情を把握し、問題点を見つけ出すなんて、少しでもお参りの経験のある人ならば、できない話だとすぐ分かるのではないだろうか。お寺の価値はは、住職と檀家さんがお参りを通じてどれだけ対話ができるかにかかっていると思う。役僧(お参りをするために雇っている僧)さんを使わなければ維持できないほど大きくなったお寺も問題だが、それを一人で抱え込むのも問題ではないだろうか。
社会の様々な問題に目を向けて取り組んでいくことは、僧侶のあるべき姿として学んでいこうと思う。しかし、お寺の維持経営に関する部分には疑問が多い。寄附を否定的にとらえ、銀行からの借り入れをすすめているが、時と場合によるだろう。借り入れができるお寺は限られているのだ。
気になるのは、檀家外の葬儀が四割近くもあることだ。葬儀さえ何とかなれば、あとは知らない。お寺がどうなろうと関係ない。できるだけ安く上がればそれでよい。このように考え始めた人たちの受け皿になっているのではないだろうか。アフターも心配だ。寄附が無いお寺という宣伝効果は大きいが、逆に寄附を頼りにしているお寺にとっては、そのような宣伝によって厳しさが増すことになる。
回りきれない多くの檀家さんをまとめていくイージーな方法はイベントを行うことである。責任を持たされることもなく、その他大勢となってイベントに参加することで、宗教的雰囲気も味わえる。テレビの霊能番組を視聴するのと変わりない意識で宗教的儀式を済ませることができるのである。しかし、これでは檀家さんがおかしな方向に向いて行く危険性は大きい。著者のお寺はイベントに頼りすぎている感じがする。
著者の言うように葬儀を変えることも大事だが、日常のお参りを真面目に行い、日常のお参りをより意味のあるものに変えていくことの方が、より大事だと考える。
お参りを他人に任せたくないという著者の気持ちは理解できる。その気持ちを実のあるものにするのには、大きくなりすぎたお寺を分割するという方向で寺を変えるということしかないと考える。
VIEWTIFUL JOE Vol.1 [DVD]
このアニメは新しいね。主人公のジョーが新しい。
彼はこれまでの、ただ正義を振りかざすだけのヒーローとは一線を画しているよ。それでいて、ヒーローとはこういうものだという事を教えてくれる。
一話一話が有名映画のパロディのようなカンジになっているので、大人が見ても面白い。
あとオープニングやエンディングの曲がカッコイイ。挿入歌もいい。このアニメにマッチしている。
笑いあり、涙あり、のバランスが絶妙で大人も楽しめる。子供はもっと楽しめる。