文章読本 (中公文庫)
本書には文章の書き方のテクニックといったものはほとんど書かれていません。この本は、小説、戯曲、評論、といった様々なジャンルの文章をとりあげて、その文章の「味」を解説していこうとするものです。
三島はこの本のなかで、森鴎外や志賀直哉といった簡潔・明晰な文章は、しろうとには最もその味がわかりにくい、といっています。こういう文章は、料理でいえば美食家のような人でないと その味はわからないのでしょう。私も、いろいろな文章をよんで、舌を十分に訓練してから、もう一度これらの名文をじっくりと味わってみたいと思います。
夜叉ヶ池 [DVD]
美しく、綺麗な悲恋のものがたりでありながらも、ちょっとしたところにコミカルな演技もあって、鏡花ファンならずとも面白いはず!
千蛇ヶ池の若君を恋慕う夜叉ヶ池の主・白雪姫は、千蛇ヶ池の若君に会いたくとも、昔交わした「村の人間が鐘をつき続ける限り、夜叉ヶ池にいて、村を水没させてはいけない」という人間との約束のため、会いに行くことができず、苦悩する毎日。
村の人間達はその約束を忘れているが、ただ唯一、その龍神との約束を守るべく、“鐘つき”として、百合と共に暮らしている夫・晃。
だが、日照りの続いた村人たちは、雨乞いとして、百合を生け贄にしようとする。その乱闘の中、百合は自害。そして、晃もずっと続けてきた鐘つきをすることなく、百合の後を追う。
その時、雲が出てきて喜ぶ村人たちであったが、単なる恵みの雨ではなかった・・・。龍神との「鐘つき」の約束を破った村は、津波に襲われ、水の底に沈んでしまう…。「鐘つき」の約束を破った人間のおかげで、白雪姫はようやく愛しい千蛇ヶ池の若君に会いに行ける・・・
日本歌曲選集(1)
谷川俊太郎さんの詩に林光さんが作曲した「ほうすけのひよこ」がすばらしい。間に鮫島さんの詩の朗読が入ります。歌詞が日本語だから言葉の一粒一粒まで伝わります。ドイツ人がシューベルトのリートを聴くときもこんな感動を味わうのですね。
三好達治さんが大好きなのですが、香月修さん作曲の「甍のうえ」と「乳母車」が入っています。この曲はいろんな人が曲を付けています。Lieder Nach Texten von GoetheというCD10枚のセットが出ていますが、三好達治の詩による歌曲集なんてどこか企画してくれないでしょうか。
普段あまり聴く機会のない日本の芸術歌曲。このシリーズは最後の一枚を除いて品切れになっています。歌曲は人気がないのでしょうか。ドイツ・リー トを聴く人も日本歌曲はあまり興味がないのでしょうか。でも、歌詞の意味が分かり、ちょっとしたアクセントの付け方で歌手の表現したい感情が手に取るようにわかる。日本歌曲の良さです。ボックスセットで再発売してほしいと思います。
ご存じ 島津亜矢名作歌謡劇場
もともと亜矢さんの台詞には、いつも感動していたのですが、「お初」は亜矢さんの歌唱を聴いたことがなくとてもCD聴くのが楽しみでした。
・・・すっ すばらしい!!期待を裏切らない、とても切ない亜矢さんの歌声、そして台詞に涙しました。
「おとこ歌」の亜矢さん、「おんな歌」の亜矢さん、どちらの亜矢さんが好きな方にも、大満足の一枚です!!