新版 指輪物語〈2〉旅の仲間 上2 (評論社文庫)
目的語・補語・副詞句が、主語・述語を飛び越えて文頭に出る文体は、百ページ読んでもなかなか慣れない。しかしトールキーンがオクスフォードの言語学者なのを思えば、この凝り様になるほどとうなづける。語順に変化を持たせる文体は、シェイクスピアの戯曲のような効果を狙ったものだろうか。巷間で言われるほど難しくはなく、同じ単語が繰り返し出てくるので、読み進むのはつらくない。
1954年から書かれたこのハイ・ファンタジーシリーズが愛され続けるのは、やはり自己の内面を見つめた上で悪を敢然と意識する姿勢が作品全体に貫かれているからにほかならないだろう。
ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション [DVD]
劇場公開では、日本語訳の誤訳がもんだいとなりました。
わたしは、そんな状況で、映画を観ずに、我慢してきました。そして、このDVDの発売を待っていました。
このDVDをみて『ありがとう。ピータージャクソン監督!』と感動いたしました。
もちろん劇場公開時の日本語訳の問題は、解消されています。
この4枚組のDVDを買って良かったと思いました。
すでに2枚組DVDも持っていましたが、内容が違います。
本編そのものがとてもよい流れに仕上がっています。
もし、本の「指輪物語」を読了した方、読み進むのに苦労している方。まだ
観てない方には、ぜひ購入をおすすめします。
このDVD商品には、いろいろなことが特典映像に納められています。
・大道具小道具の話
スタッフのインタビューや、アラゴルン(ヴィゴ)などのキャストインタビューをまじえて、とても楽しく時間が流れてゆきます。
・そして、本編の未公開シーン30分
ほかにもいろいろ特典映像にストーリーボード(絵コンテ)など、もふくまれています。
どうぞ「指輪物語」の空間と時間をお楽しみ下さい。
オリジナル・サウンドトラック「ロード・オブ・ザ・リング」
『指輪物語』の映画化と共に楽しみにしていたのがこのサントラ。
音楽はハワード・ショアだしなんと言っても、指輪ファンのエンヤ
が2曲も書き下ろしているというのはスゴイこと。
”メイ・イット・ビー”はまさに主人公を案じるような歌詞で最高です。
エンヤの曲は指輪物語の世界観に通じるものがありますよね。
カリビアンブルーやシェパード・ムーンなんかもピッタリ!
CDはエクストラ・トラックでパソコンで起動するとネットの
ヒミツサイトへリンクできるようになってます。映画は日本公開が楽しみです!
指輪物語 フロドの旅―「旅の仲間」のたどった道
映画では場面場面しか描かれませんが、指輪を捨てに行く旅は苦難の連続です。目の前まで行って戻ったり、ぐるぐる回ったり、そのたびにフロドとサムは成長し、旅の仲間の結束を強めます。
中つ国全体の地図は細部までは追求できません。こういう周辺図があると本当に便利です。
新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)
トールキンの格調高い傑作“the Lord of the Rings”のパート2.パート1のラストで別れ別れになってしまったそれぞれの登場人物のその後の物語が詳細に語られていく。book3では、アラゴーンやピピン、メリーなどの冒険を、book4ではフロドとサムの冒険を描く。私は個人的にはこのパート2を読んでいる内に、指輪物語の大ファンになった。それはなぜかというと、1人1人の描写が実に丁寧でリアルだから。他の物語だと、例えばある人物がピンチになったところで次の場面に飛んでいて、その人物がその瞬間に何を感じたのかはカットしていたりと、人物の描写にある種の偏りが見られることが多いと思うが、この物語ではフロドだけでなく1人1人が主人公であるかのように、実に丁寧にその感情が描写されている。そのおかげで、読者はミドルアースとその住人達の物語を目の前に広がるように想像できる。book4のラストは、(本を読んで本当に涙を流したくなることは私はめったにないのだが)泣いてしまうほどの迫力を持っていた。是非指輪物語は英語で読むべきである。独特の格調高い文体は、翻訳ではなかなか伝わらない。