MOON
何が正義で何が悪か。今までのゲームを見ていると、殆どのゲームではっきり別れていることと思います。でも、それを別の視点から考えたのがこのゲームでしょう。
ゲームの目的は、ラブを集めることですが、このレビューで説明してもきっと伝わらないと思います。是非、あなたの目で確かめてください。
今までに体験したことのない驚きと可笑しさが散りばめられていました。世界も、住人も、モンスターでさえも、愛しいのです。あの感覚は不思議でなりません。
3Dのゲームに慣れてしまった方・ありきたりのRPG(特に戦闘)が好きではない方・ちょっと皮肉屋な方におすすめします。
忘れられないゲームの1つとなりました。
最後に、もう持っている方は大切にしてください。
さよならドビュッシー (宝島社文庫)
ミステリーとして読むなら、オチはすぐ見当が付きます。
しかしあれよあれよと進む話の展開に、ページをめくる手がとまりませんでした。
キャラが昭和とか展開が安易とかいうレビューもあり、確かにそうなんですが、 久しぶりに物語を読んだなあ!という満足感があります。
…文章も上手くキャラも現代的だけど物語が現実的すぎて話が薄くて眠い、とか、
ノルマで一冊書いてんだろうなあ、ページ埋めるのに必死なんだろうなあ、だからファン向けの会話と蘊蓄でページ稼いでるんだろうなあ、とか、
そうこちらに思わせる作品にばかりここのところ当たってたので…
圧巻はやはりピアノの演奏描写。私はピアノには全く素人ですので、個々の単語の意味なんて解っちゃいないんですが、素人に「なんか凄い演奏なんだ」「この曲って素晴らしい作品なんだ」と充分思わせる文章でした。
…だからこそ、動機が残念。いっそ主人公が計画的悪魔少女の方がすっきりしたかなあ。
そうじゃないならもう少し少女の逡巡や後悔や悲劇を描いて欲しかった。
軽くないか、ラスト。
先生「日本の○○は○○には甘い」って、「主人公ラッキー」って事かい。これ読者は「良かったね〜」とは思えないんだが…。
ラストも清々しいんだけど、良く考えたら清々しくていいのか…?(笑)
本当に面白かったから、最後だけが残念…
月の光 ~ドビュッシー / ピアノ名曲集
モニクアースが亡くなって、そろそろ20年くらいだろうか。
亡くなったときは、実に悲しい思いをしたのを憶えている。
印象派と呼ばれるドビュッシーの譜面を、
ここまで忠実に、そして繊細に表現できる演奏家は、
たぶんもう二度と出ないと私は思ったから。
私はこれほど、純粋なドビュッシーを、
耳に入れたことがない。
ふわっと風のように入って、
そして氷の張った湖面にすべり降りるような、
冬鳥のような美しさを感じる演奏。
それはクセのない、しかし主張がある、
確かな演奏だった。
このCDの選曲も、とても良いと思う。
録音がどうしても古いので、
若干、音が気になるが、
それでも、円熟期に入ったモニクアースの、
感性に浸るには十分だと思う。
個人的には「領分」の「羊飼い」が、
羊飼いの羊の呼ぶ角笛の部分の演奏や、
「ベスガマスク」の「月光」の、
アルペジオ演奏は、ほんとに真から素晴らしい。
飾り気のない演奏に、実に華があるいい演奏だと思う。
スヴャトスラフ・リヒテル・コンサート/モスクワ音楽院ライヴ1976 [DVD]
リヒテル、61歳(1976年)、モスクワ音楽院大ホールでの演奏録画。しっかりとした姿勢で、打鍵、鋭利に、曲のなかに、聴く者を導く。映像のなかで、コメンテーターが言っているように、正に、作曲家と聴衆との間にある壁を取り払う演奏だ。事実、いずれの曲も、親しみ深く感じられ、これがラベルだったのか、あるいは、エッ、今聴いている曲がベートーヴェンなのか、という思いを持たせられる。さすが、20世紀に君臨した大ピアニストであることを実感する映像である。ただ、ノイズがあるのが、難点であるが、希少な映像であるだけに、その点は、やむを得ないこととしよう。しかし、PCMステレオで聴くよりも、ドルビーディジタル・サラウンドで聴いた方が、ノイズが気にならない。念のために。
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)
さよならドビュッシーほどの鮮烈さは無かったんですが、クライマックスの2、3ヶ所の転換は良かったと思います。 とりあえず晶の幸せを願いながら読み進めました。 こんな想いだった為、晶に襲い掛かるハプニングにはハラハラさせられ作者の思惑にまんまと嵌まってました。 前作同様、岬洋介によって語り手が成長していく様は爽快感があり楽しめました。 惜しむらくは、TSUTAYAで見つけたラフマニノフを主人公にしたDVDを、借りる前に読了してしまった事でしょうか。 もしよかったらDVD観てから読んでみてください。DVDが駄作だったらスイマセン。
岬洋介シリーズ期待してます。では