JICA ニカラグア:シャーガス病対策プロジェクト
中南米に750万人以上の感染者がいるといわれているシャーガス病。米州保健機構がマラリアに次ぐ第2の深刻な熱帯病であると位置づけているほど、その問題は深刻である。ニカラグアでは総人口約514万人のうち5万人の感染者がいると推定される。ほとんどが貧困地域である北部地域に集中しているとみられているが、住民はこの病気についてほとんど知識がない。今回の取材ではシャーガス病を食い止め、撲滅するための、JICAの2年目の取り組みを追った。
JDサリンジャーが、ライ麦畑を独立した一個の作品として扱って欲しいと願っているらしいことは、村上春樹氏の新訳に解説や後書きの類が載らなかったことでも自明だ。私自身、マンハッタンの街並や、当時のステータスを示すブランド名くらいは、作品理解のために知っておきたいとは思うが、それ以上でも以下でもない。
ーーにもかかわらず、「ホールデンが落としたレコードは何故粉々に割れたか」という、目次の一節は、私にとって殺し文句だった。私はてっきり、金額とか回数とかの数字を度々桁外れに多く表現するHolden独特!のレトリックの一つくらいに思っていたから、そんなものに問題提起があってしかも、はっきりした回答が添えられていることがとても新鮮だ。
「ライ麦畑」小辞典はいい。「ライ麦畑」が言及されている日米の書物や映画などに詳しく、「正しい読み方」という傲慢なタイトルとは裏腹に、作品に対する態度は誠実で、「ホールデン・コールフィールド協会」なる作者の「ライ麦畑」への愛情・愛着が伝わってきて、いい。ライ麦畑のもとになった歌の原詩をみつけたときにはつい、声に出して歌ってしまった。本書を読んで「ライ麦畑」を原書で読みたくなった。(そして、読んだ)