知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物 (じっぴコンパクト新書)
歴史的に見て支那の冊封国としての歴代朝鮮王の他の冊封国よりどうして身分が
低かったのか、下賜された衣服(龍の数)が琉球王より低かった事、恩迎門や日本には
無い、冊封国として皇帝の使者に対し三跪九叩頭の礼法をもって接するなどの解説を
もっともっと詳しく書いて欲しかったです。
そして宮中で着る色付きの服が支那からの輸入品だった事、木を曲げる技術が無かった
事、茶などは無く柑橘類の皮を溶いたものを茶とされていた事、庶民は全て白い韓服
だった事など、朝鮮の文化についてリアルにもっともっと詳しく書いて欲しかったです。
ヘフリガーの芸術
バッハやモーツァルトの素晴らしさは言うまでもないが、今では手に入りにくいリート集も見事。中でも「水車小屋」。完成度から言えば、彼自身の後年の録音の方が高いし、美しさから言えばこれより美しいものは他にもある。しかしながら、これほどまで主人公の心情に肉薄した生々しい演奏は、他には見られないのではないか。愚かしいほどまでに純朴な青年の、それゆえに純度100%の恋心から生じる喜びや焦り、悲しみが、いささかのわざとらしさもなく歌いこまれ、現代では鼻で笑ってしまいそうな恋物語が現実のものとなって迫ってくる。他にも、シューマン、ヤナチェックなども素晴らしい。テクニックだけではなく心で歌われる歌唱だ。この人が60を越しても現役として舞台に立てていた理由がよくわかると同時に、ドイツ系声楽家の王道を行っているように見えながら、実は非常に個性的な歌い手だったこともよくわかる。
それにしても、これだけの名演の中に、手に入りにくいものが多数あるというのは、実に残念なことだ。リヒターとのバッハだけがヘフリガーの全てではない。分売・再販を強く希望します。
ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説―信じるか信じないかはあなた次第
六本木「あおい書店」のレジ前に置いてあって、思わず購入。
六本木と「都市伝説」はよく似合う。
こんなのが紹介されている。
(梅)四谷にはひとつだけ金色の公衆電話があって、そこから好きな人に電話すると恋が成就する。
(竹)ミルキーには5000万分の1の確率で「パパの味」がある。
(松)マイケル・○クソンは金玉を切除しており、とった玉はオークションで13億円で落札された。
これだけ書くとまぬけだけども、そこそこまじめに「伝説」ができた裏事情を解説していて、5つにひとつくらいは「ほんとかも」って思わされる。海外の「伝説」は「わたしはこれで1億円と美女をGETしました」ブレスレット程度の信頼度だが、国内分は東スポの見出しくらいの信憑性があるのでは。
暗号の秘密とウソ
Internetに関する情報セキュリティを、初めて包括的かつ平易に解説した本。
セキュリティは技術ではなくプロセスであるという事実は一部の専門家の間では常識だが、これを一般の人に理解して貰うのは大変難しい。その理解のために本書は大変有効である。
サーバ管理に関わる者、Internet上でビジネスを行なう管理者および経営者、セキュリティ関係技術者は本書を読む事が義務であると言っても過言ではない。