あなたは誰?私はここにいる (集英社新書)
期待を裏切らない内容でした。芸術、特に絵画作品や画家に関する書物を私は好んで数多く読んできましたが、これほど自分の心情にぴったりくるものはありませんでした。著者をテレビ等で知っており絵画芸術に造詣が深い方々が、本書をお読みになると思いますが、きっと多くの方が画家と作品に自分の心象を重ね合わせるこの著作を理解し、著者とその思いを共感できることと思います。一方、作品や画家に対する解説が少なく分析や掘り下げが不足していると感じる人もいるでしょうが、著者の解説は日曜美術館出演もあって専門美術評論家にいささかも劣るものではありませんし、著者は説明に終始するというようなことをしていません。最も私達が満足することは、本書を読むことで「芸術空間を共有している」と著者が私達に感じさせてくれるということです。画家と作品そして著書と私が一個の空間にあって同じ芸術の空気を共有している、それらすべてが溶け出して一体となるような、そんな至福の気持ちを抱くことができるのです。そのような気持ちになれる方は、本書を無条件に評価するに違いありません。
(もっと読んでよいと思う方は以下もお読み下さい)
姜氏が日曜美術館の司会をされるようになってから、私はその番組を再び観ることにした。私はこれまで氏の著作を手にすることはありませんでしたが、この番組への出演に対して何故か確信的な期待感を持っていました。番組の中で氏は作品や画家について多くを語らなかったけれど、氏の胸に深く何かが刻まれるのを私は感じていました。だから、本書の発刊を知った時、購入したいという気持ちを私は抑えることができませんでした。
本書には、「僥倖(ぎょうこう)」、「懈怠(けたい)」、「韜晦(とうかい)」、「耽溺(たんでき)」などの私達が使わなくなった日本語が要所に顔を見せる。だからといって文章全体は、決して美辞麗句を並びたてたものでもなく、無味乾燥な賛美を繰り返すものでもない。著者の文章は、読みやすく分かりやすいものでありながら、私の心にしみわたってくるものでした。著者の絵画作品に込められた思いを吐露する場面で配置された日頃耳にしない単語も、その漢字本来の意味を自然と感じ取ってしまう程の説得力のあるものでした。本書は読む者に至福の時を与えてくれます。
プロフィールを『「書評」評論人』と名付けたのは、かねてから書籍に組み込まれている「書評」に対し批判的な意見を持っているからです。本文の優れた内容をいくつかの修飾語で総括してしまうような書評は、読者の飽和した豊潤な気持ちをいっきに萎ませるものであり、本文の価値を貶める以外の何物でもありません。よい書評があるとすれば、読者の満たされようとしている思いをより大きく膨らませることができる、そのようなものであるべきだと考えています。
笹倉鉄平の絵画世界/2枚組セット [DVD]
笹倉鉄平さんの欲しかったDVD、やっと入手できました。
とってもとっても嬉しいです。
一人でも多くの人に、鉄平さんの優しくて素敵な世界を知って欲しいと思っています。
フリースタイル―大野智作品集
今更だけど、書かせていただきます。
デビュー当時から、何に惹かれたのか無自覚に彼にハマっている者の1人です。
ファンの欲目もあると思いますが、私自身が感じた素直な感想です。
大野智という人は、歌やダンス、演技にしても感じることですが、他人の評価になど興味が無いのか、自分を主張しない、空気のように自然体で飾らない人だと思っています。
その彼が、基本的に1人でひっそりと楽しんでいた粘土遊び。
まれにテレビで紹介されることもありましたが、インタビューなどで彼が近況で語るに留められていたそれが、今作でようやくお披露目されたわけです。
初めて今作を見た時、この人はどこまでも無欲で、孤高の人なんだと感じました。
誰に媚びるでも、評価されたいわけでもなく、ただただ自分の内側と向き合って続けてきた趣味の一つ。
褒められようが貶されようが関係なく、自分が好きなことをやり続けた結果があれだけの作品を生み出したのかと思うと、どれだけ己に厳しい人なのかと思わずにはいられません。
芸術のことに関しては素人ですのでわかりません。
ただ、彼が10年以上の時間をかけて作って来た作品たちは、彼の日記を覗くようで嬉しくもあり、今までこんなスゴイものを1人で作ってたのかと驚かされます。
そして、芸能人本にありがちな、自分の才能を誇示するような部分はまったく感じられず、謙虚な言葉が綴られています。
ファンの子が見たいと言ってくれるから、と彼が語った言葉が、本当に嬉しく、彼を好きになれて良かったと心底思いました。
痛みが美に変わる時~画家・松井冬子の世界~ [DVD]
優れた画家というものの創作とはどのようなものかということがありありと
示されており貴重な作品である。この画家は人物像で話題になるが、創作に
こもるエネルギーはもっと深い芸術家の業のようなものやプロフェッショナ
リズムとどこかで繋がるように感じる。創作が謎となって分かりきらないのは、
古今を通じての頂点を極めた画家についても同じこと。それをいとも簡単に、
ジェンダーの痛み、とか、手垢のついたことばで自分のレベルに引きずり
おろす評者が登場するのがこのDVDの情けないとことろ。
魔導物語ファンブック―イラストレーション&アザーズ
結構昔の本なので希少価値という点で値段がアレですが、魔導物語やコンパイル時代のぷよぷよシリーズなど数多くの壱さんの絵がフルカラーで掲載されているので、壱さんの絵が好きな方にはおすすめです!あの可愛らしい絵のタッチは見ていてほのぼのと癒されます(^^)なつかしのももも通販の商品カタログを見た時は時代を感じましたw巻末に載っているぷよまんを題材とした漫画もこれまた可愛くて面白いです!アルルとシェゾがメインで、8ページと短いですがオチもしっかり付いているので一見の価値アリw