大空港 上 (ハヤカワ文庫 NV 48)
前半の殆どが人物描写に割かれているので話の進行が緩慢でウンザリしたが、後半に入った途端テンポが上がり内容もよりスリリングに展開して止められない面白さだった。
舞台が1970年頃なので、空港設備や機内乗務員の待遇等々、時代を感じさせる部分はあるが、この本の面白さになんら支障をきたすものではなく、それどころか現在でも飛行機は人によって飛ばされているし航空管制は人の判断によって行われる。空港は人の手によって運営されているし、また多くの空港が抱えている問題も同じであろうことなど、現在と照らし合わせてみてもなんら色褪せることはない。同様の事が明日どこかの空港で起こってもまったく不思議はないのである。
大空港 [DVD]
バート・ランカスター、ディーン・マーティン、ジョージ・ケネディ……本当にどうして昔の男優さんらは、こんなに自然な存在感に溢れて、それぞれに個性が際立って、小憎らしいまでにコスチューム姿がぴたりと決まるのでしょう。ジャクリーン・ビセット、ジーン・セバーグ……本当にどうして昔の女優さんらは、存在感や個性はもとより、こんなに美しくて可憐で力強く格好良く、誰もが花のように輝いて映るのでしょう。決して、現代の俳優さんたちが存在感や個性や演技力に於いて及んでいないという訳ではないのに、こうした時代の映画を見る度に、そんな思いが自然と湧いてしまうのは何故なのでしょうか……。
巧みに散りばめられ手際良く丁寧に処理される、微妙で複雑な人間関係の設定。極限状態に置かれた人々が織りなす様々な葛藤が、凝縮された複数の濃いドラマを描き出し、パニック映画という名で一括りにしてしまうのは少々失礼ではないかと思われる位に、見る者の心を揺さぶり感動を呼び起こします。それは恐らく、巧みな脚色や的確な演出に演技陣の持つ魅力実力が加わり、一つ間違えば単なる見せ物映画と言われ兼ねない筋立ての中で、登場人物一人一人の人物像が実に鮮やかに描き上げられているからではないかと思われます。中でも、特に印象深いのは、ヘレン・ヘイズ演じる老婦人。狡っこただ乗り常習の困った迷惑お婆ちゃんなのに、その、妙に気品とユーモアに溢れて憎めない人物像は、一度見たら絶対に忘れることが出来ない心地良い魅力に溢れています。
唯一、残念であったのは、日本語吹替音声が収録されていなかったこと。『エアポート'75』も『エアポート'77』も『エアポート'80』も、いずれも「TV放映時の日本語吹替音声」を収録したDVDが発売されているのですから、次回発売時には是非、この作品にも収録して戴きたいものだと思います。
刑事魂 ~ TV刑事ドラマソング・べスト
一覧をご覧になるとお分かりになると思いますが収録曲(番組)の選び方が実にハズレがない。特に『柔道一直線』の主演,桜木健一さんが体当りの演技で大変支持された人間ドラマ『刑事くん』(一時期『特捜最前線』のレギュラーも演じられました,特命課に所属した期間が13人の戦士たちの中で最も短かったですが…)を「悪くはないが30分番組だから今回は収録を見送ろう」などせず収録した選曲とか天才的ッス。知らない刑事ドラマのテーマ曲も,初めて聴いて「じ〜ん」と来たり血が騒いだり…知らない曲だけど「ジャケ買い」したり「好きな歌手のCDだから」買っちゃったり,それに通じる,いやそれを遥かに凌駕する買い方しても損は無いCD。歌うも渡哲也さんや天地茂さん…歌もテーマも皆宝石のような名曲ですが私が宝玉の中の宝玉と讃えたいのは、『特捜最前線』を10年間支えたF・チリアーノさんの『私だけの十字架』でしょう。買わなきゃ死ぬまで後悔しますよ!!(笑)
大空港 [VHS]
日本ではパニック(恐慌)映画と呼ばれている。
「タワーリング・インフェルノ」「ポセイドン・アドベンチャー」の先駆けとなった作品だが
私にとってパニック映画といえばこの映画。
小学生の頃 テレビ画面に釘付けとなり、身動き一つできなかった事を思い出す。
今、改めてビデオテープを回してもその鼓動は失われていない
様々な人々の生活を描きながら、その登場人物が一カ所に集まってくる伝統的な(グランド・ホテル)形式が 遅まきながら新たな方向へ歩み出そうとしているハリウッドにおいても、立派に通用する(物語の構成)事を証明した。
ユニバーサルにとっては名物シリーズとなり多くの空港ものが制作された。
音楽もすばらしい!!
大空港 [DVD]
現在この映画をDVDで鑑賞すると、役者の演技やストーリー展開がよく見えて、なるほどと感激することができるが、当時は、そんなことよりもハイジャックの恐怖がどういうものかに焦点を絞って観ている方が多かった。
豪華キャストということですが、なんと5人のオスカー受賞役者を起用しているのをみても納得です、特に、爆弾犯役のヴァン・ヘフリンと、その妻に扮するモーリン・スティプルトンはどちらもアカデミー助演を受賞している名優です。ジョージ・ケネディーは主演級の男優ですが、数々の大作に名助演としての演技は見事なものでしたね。それから、英国出身のジャクリーン・ビセットはアカデミー賞には見放された無冠の名女優ですが、ゴールデン・グローブ賞では4度のノミネートは立派の一言です。
しかし、なんと言ってもこの作品で39年ぶり2度目のオスカー受賞に輝いたヘレン・ヘイズは大した物です。歴史的なカムバック賞に値しますね。