「インファナル・アフェア 無間序曲」オリジナル・サウンドトラック
映画第一弾の作品の良さは、良作スコアの後押しがあったからだとも言えるほど、この作品のサントラはとにかく良い出来映えであった。映画第2弾の劇中で使用されているスコアを収録しているこのCDもまたなかなか良い。まだ映像を観ていないのではっきりしたことは言えないのだが、曲のみを聞く限りでもその完成度はなかなかなものだと思える。個人的はハンガリー語で歌われる3曲のナンバーが物悲しくて好きである。残念ながら、ハンガリー語詞はブックレートに紹介されているが、訳詞がない。是非とも収録して欲しかった。Beyondの歌う主題歌も文句なしに素敵である。サントラだからといって手を抜いていない点に拍手を送りたい。
インファナル・アフェア 3部作スペシャルパック【初回生産限定】 [DVD]
ストーリー展開の速さと随所にちりばめられた伏線、マフィア抗争映画ですが、
心理作戦映画で、騙し騙され、ずーっと緊張しっぱなしで
ハラハラドキドキと生唾を何度飲んだことか!
ジェットコースター的に話が進んでいくので観客を飽きさせません。
そして、正義の味方が死んだ時は「ストーリーどうなるの??」と意外でした!
それにラストへはどうゆう風に話をもっていくんだろう??・・・・・と思いつつ
こうゆう終わり方もあるんだ・・・と今までのマフィア映画にない展開でした。
先日、ハリウッド版の「ディパーテッド」を見ました。
友達は本作品を見ていなかった為、素直に「面白かった」と言っていましたが、
私自身は、欲求不満に終わりました。なぜなら絶対、本作品の方が素晴らしいからです!
ハリウッド版は、本3部作品を1作品に凝縮したものなので、
状況設定が一部違いますし、少し大雑把かな〜って感じでした。
特にラストシーンがガカッリで、やっぱり本作品の方が出来ばえとしては最高で☆5つです!
ちなみに、ストーリー展開の時系列順としては、
2作目→1作目→3作目の順番になりますので、この順番でみた方が
2人の主人公の歴史を追っていく感じになり、わかりやすいです。
インファナル・アフェア【字幕版】 [VHS]
香港映画ってプロレスと一緒で男の観るもんだよね~と思い込んでいた私、ジャッキー・チェンとジェット・リーしか知らなかった…しかし、この1本で認識変更。
警察とマフィアそれぞれのスパイとして潜入する2人の男の10年を描いている。息もつかせぬ流れに瞬きも忘れて食い入ってしまった。緊張と緊迫がビリビリ伝わる。派手な音楽でもなく静かなバック、バイオレンスシーンもアクションシーンも控えめなのに強烈な印象を残す。ハリウッドでリメイクされる日も近いだろうから楽しみだ。それにしても潜入捜査の話はジリジリくる!ジョニー・デップ、アル・パチーノ主演の「フェイク」ショーン・ペン主演の「潜入捜査官」もかなり面白かった!この2本の作品はどちらも警官がマフィアに潜入する話なのに対し、「インファナル・アフェア」は警察に潜入したマフィアとマフィアに潜った警官の双方映し出しているから面白さが2倍、最後は2人の対決がある上にどんでん返しが2転なのだ!凄い!う~んとうなってしまった。マフィアと刑事の2人の男の対決といえば「ヒート」が最高だ、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの対決なのだから。このインファナル・アフェア」ではアンディ・ラウとトニー・レオンの対決だ。どちらにしても大スターの共演とか対決というのはかなりわくわく。この映画を教えてくれた仕事で知り合ったAさんにお礼を言いたいありがとう!(Aさんは家に帰ればマイホームパパとは想像もつかない”切れる男前”だ、アンディ・ラウに似ている、なのにC・スレーター似だなんて言った私、不服だったに違いない…失礼しました)
ところでアンディ・ラウ、上映中の「LOVERS」では別人のような彼がいた、これもすごく良い、なかなかの演技派なのだ!ハリウッドデビューする日も近いかも。
「インファナル・アフェア」オリジナル・サウンドトラック
この映画の音楽監督は有名作曲家のコンフォート・チャン陳光榮。「古惑仔」シリーズのイーキン・チェン鄭伊健を歌手として育て上げ、ヒット曲を提供してきた聡明な作曲家兼プロデューサー。今回は北京の「亞州愛樂管弦楽団」と「亞州愛樂合唱団」をスカウトし、壮大かつ重厚な劇伴を作り出した。もしもこの映画の音楽が一般の香港映画のように3日で仕上げるようなやっつけ仕事だったら、スケール感が大いに異なっていたことだろう。女声スキャットは陳光榮のプロダクション所属のミュージシャン、ファン・ツイワー馮翠樺。
続編「無間道II」「無間道III:終極無間」のサントラ盤も香港では発売され、コンフォート・チャンが続投。さらに、ようやくあの挿入歌「被遺忘的時光」が収録されている。日本発売をお楽しみに。
インファナル・アフェア II 無間序曲 [DVD]
続編というのは一般的につまらないものが多く、この映画もあまり期待していませんでしたが、その分良い意味で期待を裏切られることになりました。この映画では若き日の2人の少年のみならず、アンソニー・ウォンやエリック・ツァンら周囲の人々の内面も掘り下げて描かれており、卓越した群像劇に仕上がっています。前作では宿命を背負ったスパイの哀しさが描かれていましたが、本作では、登場人物を翻弄し、滅ぼしてゆく「黒社会」の姿が、非常にリアルに描かれています。
黒社会は清朝末期に栄えましたが、その後も英国統治による資本主義体制の下、表と裏での勢力拡大が着実に進みました。香港の黒社会では大圏幇、新義安、14Kなどが知られますが、いずれも大陸の黒社会にはない大規模さを誇ります。その一方で大陸より緩いとは言え、中国の秘密結社特有の残忍性も併せ持ちます。この映画で邪魔者が次々に粛清されるシーンは、毛沢東が文化大革命で行った非道と瓜二つです。
香港の返還以降、黒社会の犯罪は激化の一途を辿り、同様の残忍性を持つ中国共産党と結びつく事で、表社会への勢力拡大が急速に進みました。返還当日の華やかな表の雰囲気と、多くの人が血を流し、心に傷を追う陰鬱な裏の雰囲気が、本作品では対照的に描かれています。
色々書きましたが、本作品は香港版ゴッドファーザーと呼ぶに相応しい、優れた出来栄えに仕上がっています。正義のために実の家族を裏切り続けたヤンと、叶わぬ愛のために自分自身を見失ってゆくラウ。自分の身代わりに親友が命を落としたウォン警部や、最愛の妻の死を契機に極悪人に墜ちて行くサム。彼らにもやがて哀しい結末が訪れるわけですが、それへの伏線が実に巧みに演出されており、本当に素晴らしい。続編ながら前作には決して劣らないので、まだ観ていない人は是非御覧ください。